プロボクシングのWBO世界バンタム級6位大森将平(24=ウォズ)が22日、京都市内の所属ジムで記者会見を開き、世界初挑戦を発表した。

 4月23日にエディオンアリーナ大阪で、同級王者マーロン・タパレス(24=フィリピン)との対戦が決定。大森は19戦18勝(13KO)1敗で、唯一の黒星が15年12月にWBO指名挑戦者決定戦で2回TKO負けを喫したタパレスだった。31戦29勝(12KO)2敗を誇る王者に対し「特別な感情を持っている。京都のジムから初の世界チャンピオン誕生の瞬間をお見せします」と言い切った。

 決意表明の場は笑いに満ちあふれていた。大森は16年12月31日に、IBF世界バンタム級王者リー・ハスキンス(英国)と世界戦を戦うことが決まっていた。ところが、王者のケガを理由に初世界戦は中止。その裏で同ジム初の世界戦に向け、時差のある中、夜通し交渉していた大森昌治会長(56)の体に異変が起きていた。

 大森会長 昨日、やっと時間ができて歯医者に行ったら、歯ぎしりで歯が欠けとんねん。奥歯が4~5本。イライラと睡眠不足で…。

 ハスキンス陣営は年末年始の京都ということを知ってか知らずか、試合2週間前からのジム付き4つ星ホテル手配など“むちゃ振り”の要求をしてきた。要求通りホテルを手配し、後は世界戦を待つのみ-。そんな状況での中止だった。大森会長は「寝てたらガリッていってたんやけれど、あれ、自分の歯を食べとったんやな」。そんな会長の苦労も、大森がベルトを巻くことで吹き飛ぶはずだ。

 大森 (会長は)本当によく動いてくれましたし、僕のために動いてくれて感謝しています。

 そう言った後、隣に座る同姓の会長に向かい、にやりと笑って付け加えた。「歯は、僕は知らないですけれどね…」。今回のタパレス陣営は“むちゃ振り”もなく、大森会長は「スムーズや。クリア」とニッコリ。27日の沖縄合宿から、世界戦に向けた特訓は本格化する。リングでの決戦へ、全精力を注いでいく。