プロレスラー大仁田厚(59)が27日、10月31日に後楽園ホールで行われる「さよなら大仁田、さよなら電流爆破 大仁田厚ファイナルツアー」で対戦する現役最後の対戦相手に藤田和之(46)を指名し、同2日にも会見を開いてカードを強行発表する考えを明らかにした。

 大仁田は、藤田が対戦を希望していると一部で報じられたことを受け、引退試合の相手に藤田を指名し、引退興行のポスターまで制作し対戦を熱望。そして27日夜に東京・新宿FACEで行われた東京愚連隊興行に足を運び、藤田の代理人に就任したケンドー・カシン(49)と接触した。試合の契約書まで携え、藤田とカシンを訪ねたが、会場に藤田は姿を見せなかった。

 大仁田は「藤田が来ると思ったら、来なかった」と激怒。「こんなもの(契約書)、必要ないだろう! 俺は、ちゃんとした礼儀を尽くしたのだから、プロレス界の先輩に対し、礼を尽くすべき」とカシンに詰め寄ったが、返答はなかったという。

 大仁田はニッカンスポーツコムの取材に「10月2日に会見を開き、10・31藤田戦を正式発表する」と宣言した。その上で、10月9日に東京・台場で開催する「ノーロープ有刺鉄線電流爆破 in お台場」に、藤田を呼ぶ考えを明らかにした。大仁田は「藤田よ…10・9お台場に席を用意するから、俺の生き様、電流爆破を見に来い!」と言い放った。さらにカシンに対しても「お前も一時、格闘技の世界に行ったかもしれないが(プロレス界という)同じ穴のむじななら、先輩に敬意を示してもいいだろう!」と怒りをあらわにした。

 大仁田はカシンへの直談判に先立つ27日午後、都内の日刊スポーツ本社を訪れ、引退試合について真意を語った。その中で、藤田を引退試合の相手に指名したのは、全日本プロレス時代の恩師・ジャイアント馬場さん(享年61)とライバルだった、アントニオ猪木(74)最後の弟子が藤田だからだと明かした。

 大仁田 全日本プロレスでデビュー(1974年(昭49)4月14日に佐藤昭雄と対戦)し、馬場さんに引退勧告されて(85年1月3日に)引退式を行った後楽園ホールで、猪木さんの最後の後継者と戦うことに意義を感じた。それに、藤田とは対戦したことがない。全く未知の相手だから面白い、当たりたいと思った。

 大仁田は藤田に「俺の名前を、対戦相手として先に挙げたのはお前。男だったら、最後の死に水くらい取りに来いや。自分の口で(対戦相手の候補として)はいておいて…自分のケツくらい自分でふけや」と言い放った。