大仁田厚(59)のプロレス人生最後となる四面の電流爆破マッチに、31日の現役最終戦の相手に指名した藤田和之(46)が“乱入”し、初対戦が実現した。

 藤田は代理人ケンドー・カシン(49)とともに、はぐれIGF軍として6人タッグマッチを仕掛け、大仁田を有刺鉄線電流爆破バットで殴打し、マットに葬り去ると無言で退場。大仁田は、10・31引退試合での藤田との再戦を宣言した。

 藤田は「日米決戦inお台場」メインカードの大仁田、雷神矢口、保坂秀樹、佐瀬昌宏、HASEGAWA組対米CZWのマット・トレモント、DJハイド、NOSAWA論外、FUJITA、チェーンソートニー組の試合後、カシンが1日に大仁田に要求し、緊急決定した第2試合、大仁田、矢口、保坂の邪道軍対はぐれIGF軍対抗6人タッグマッチの際に、カシンにリング上から呼ばれた。

 藤田がシャツとジーパン姿のままリングインすると、大仁田とのにらみ合いが始まり、大仁田がつかみかかった。すると、はぐれIGF軍のカシンと論外が大仁田に襲いかかり、藤田はリングを降りた。そして四方を回り、大仁田の一挙手一投足を見詰めた。

 そして、大仁田がカシンと論外の2人に有刺鉄線に振られて、爆破のえじきになってマットに沈むのを見ると、藤田は再びリングイン。カシンと2人で大仁田をリングに振って、再び電流爆破のえじきにした。リング上で電流爆破を“初体験”した藤田は、火花が目に染みたのか、目をこすって頭を振った。

 藤田はその後、左肩を痛めてマットに沈んだ大仁田を論外が立ち上がらせるのを見ると、カシンと一緒に有刺鉄線電流爆破バットを手に持ち、高々と夜空に突き上げた。そして、2人で大仁田を殴りつけた。すると、有刺鉄線電流爆破バット2本から大爆発と火花が起き、大仁田は昏倒(こんとう)。爆破のあまりの衝撃と火花の煙に、藤田もカシンも吹き飛ばされた中、論外が4分35秒、体固めで大仁田をフォールした。藤田は試合後、無言で会場を後にした。

 大仁田は、あまりのダメージに、しばらく立ち上がれなかった。左肩と腕を包帯で巻くと、半ば放心状態のまま立ち上がり「10月31日、藤田と戦う!!」とリング上から宣言。「熱かった…何でこんなことをやっているんだと思う…でも、お前らがいるから、頑張れるんじゃぁ~」と絶叫し、ファンに口から“聖水”をはきかけ「1・2・3…ファイアー」と絶叫した。【村上幸将】