WBC世界ライトフライ級王者拳四朗(25=BMB)が、自称「北斗百烈拳」で2度目の防衛に成功した。挑戦者の同級11位ヒルベルト・ペドロサ(25=パナマ)に見事な連打を見舞い、4回1分12秒TKOで下した。元東洋太平洋ライトヘビー級王者の父、寺地永会長(53)が22年前に右手甲骨折から奇跡的な逆転勝ちを飾った会場で、3度目の世界戦にして初のKO勝ち。初のテレビ生中継で全国に存在感を見せつけた。

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 拳四朗のナチュラルウエート(普段の体重)は57キロ前後。ライトフライ級のリミットが48・9キロだから、減量幅は約8キロ。軽量級選手には、大変きつい。ところが減量中に「試合後どこ行こかなって、インスタでおいしそうな店探すんです」と、スマホでおびただしい数の“おいしい画像”を見せてくれた。「普通逆でしょ?」と返すと「集中できて気が紛れる」。つくづく並のボクサーではない。

 減量しやすい体かもしれない。父の寺地会長の現役時代からサポートする大阪市の「パーソナル・トレーニングスポット・エレス」篠原茂清トレーナー(55)に聞くと、拳四朗の体作りの方針を「筋肉をつけず、筋力をつける」と教えてくれた。「難しいけど、メニューの回数を制限して、時間をかけてちょっとずつということ」。多くの選手が余儀なくされる減量苦による階級変更だが、当面心配なさそうだ。【ボクシング担当=加藤裕一】