新日本プロレスの内藤哲也(35)がついに木谷高明オーナー(57)から3カウントを奪った!? 

 新日本プロレスは2日、親会社のブシロードのアプリブランド「ブシモ」と共同し、20年1月4日を目標に新スマホ用ゲームの開発に乗り出し、開発に向けたパートナー会社を募集することを発表した。

 都内事務所での会見は声優の相羽あいながMCを務めるなか、オーナー対団体方針に不満をため込む超人気選手の攻防戦が繰り広げられることになった。

 木谷氏が概要を説明し始めた会見が始まってから5分ほど、突然開いたドアから白いスーツ姿で登場した内藤は、けだるそうに口を開いた。

 内藤 いやいやいや、木谷オーナー。勝手に呼び出しておいて、そして勝手に始めてしまうとは、こんな失礼なことありますか。やるならやるって言って下さいよ。僕たち新日本プロレスがどこで試合をしていたか知ってますか。北海道、青森、岩手、昨日は仙台大会でしたよ。このオクパード(忙しい)でカンサード(疲れた)のなか、わざわざこの会見に来たわけですよ。なんかないんですか。ん、ん?

 木谷 お疲れさまでした。助かりました、本当に。

 内藤 だけですか。ありがとうとかないんですか。

 木谷 ありがとう。

 内藤 呼ばれたってことは俺が必要って事でしょ。

 初手からリズムと握りに出た内藤に、木谷氏は押され気味。さらに攻撃の手は緩まない。率いるユニット「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」のグッズをオーナーも持っていることを聞き出すと「手のひら返しですか」と追い込む。近年、抜群の人気がありながら自身の意見が一向に反映されない団体方針にいらだっていた内藤にとっては、まさに好機。呼ばれた理由が新日本プロレスへの愛の強さにあると説明を受けると、一気にたたみかけた。

 木谷 会社ぐるみで新日本プロレス愛がある会社を募集したい。内藤選手に(会見に)来てほしいかと思ったかというのはそこですね。悔しいですけど、言いたくないですけど。中学校3年生の時にファンクラブに入っていた。中学3年生に年間5000円の会費は高いですよ。

 内藤 つまり、このゲームの主役はロス・インゴ、そして内藤哲也ということでよろしいんでしょうか。

 木谷 悔しいですけど、その通りです。

 内藤 ちょっとその一言邪魔ですね。

 木谷 悔しくないけど、その通りです。

 内藤 一番新日本プロレス愛があるのは内藤哲也だと、オーナー公認ということですかね?

 木谷 まあ、そういうことですかね。

 「公認」を強引に勝ち取って、たたみかけたのは陰謀説。自身の意見が1回も反映されたことがないのはオーナー命令で却下されているのではと疑いの目を向けた。裏にあるのはIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカへの優遇があると決めつけ。

 内藤 木谷オーナー、最近暇なんですか。明日も日本にいますよね。明日の長野大会はきちゃったりするんですか。小規模な大会を見てこそ、いま現在の新日本プロレスは分かるんじゃないですか。どこでも「デ・ハポン」の大合唱を望んでますよ。お客様がいま何を求めているか、目と耳で感じて下さいよ。

 木谷 3月で日本に帰国しますから、4月からは地方も回ります。

 内藤 全戦参戦ってことですか。大好きなオカダ選手のセコンドにつけば良いんじゃないですか。

 木谷 1回もそんなこと言ったことないですよ。

 内藤 まあ、今回のプロジェクト、木谷オーナーの推薦で僕がいろいろと提案をさせてもらいますよ。どのように作られていくか、しっかり見ていきたいと思いますね。

 勝負どころを逃さずに一方的に攻め立てた内藤は、「見てください、僕の目を見てください。充血しているんですよ。連戦のなか、わざわざこんな早い時間に呼び出されて、寝不足ですよ」と最後まで言葉巧みな威圧の手を休めずに退場していった。

 会見時間は約30分。異例の30分一本勝負をなんとか戦いきった木谷オーナーは、「やっと終わった。誰がこんな組み合わせにしたの」と疲れ切った様子で一息つきながら恨み節だった。