ボクシングWBC世界フライ級王者比嘉大吾(22=白井・具志堅)が、英語スピーチで米国でのビッグマッチをアピールする。同級2位クリストファー・ロサレス(23)と4月15日に横浜アリーナでV3戦が、19日に都内で発表された。24日には米ロス興行に乗り込んで次戦で統一戦などを売り込む。日本新の16連続KOでV3はそのステップだ。

 比嘉は故郷沖縄で電撃1回KO防衛から、約2カ月でV3戦に臨む。世界戦では自己最短の試合間隔だが、その前に楽しみな大仕事が待つ。「もう覚えた。あとはリングに上げてもらうだけ」。21日に渡米し、ロスでのビッグマッチイベント「スーパーフライ2」に乗り込む。そこでアピールするために「アイ・アム・ダイゴ・ヒガ」に始まる英語スピーチを用意した。

 イベントでは同級のWBAとWBO、メインはWBCスーパーフライ級王座戦が予定されている。具志堅会長は「次は統一戦をやりたい」とWBA王者を第1の標的にする。減量苦もあり、野木トレーナーは「スーパーフライ級も注目」と話す。いずれにしても本場米本土デビューに申し分ない相手だ。

 その手土産に、今回は日本新の16連続KOを決めたい。相手のロサレスは好戦的で左フックが強いという。「ラッキーパンチをもらわないこと。そうすれば、1回から12回までのどこかで倒せる。もちろん日本新のKOを狙う」。凱旋(がいせん)1回KO防衛でより自信を深めている。

 米国から帰国後の28日からは、徳之島で8日間の走り込みキャンプに入る。問題は減量だが、それも渡米から野木トレーナーが付きっきりで管理する。比嘉は平昌五輪でフィギュアの羽生の連覇だけ生中継を見た。「コメントがしっかりしていて王子様系。ボクのような獣感がない」と苦笑。羽生にはない攻撃力で十分世界へ名を売れる。【河合香】