ボクシングのWBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦は3月1日に両国国技館でゴングが鳴る。挑戦者に前王者山中慎介(35=帝拳)を迎える王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)が20日に来日し、「2度目の日本に来られてうれしい。寒さは体重を落とすのに骨が折れそうですが、考えて落としたい」と、4回TKO勝利した昨年8月以来の再戦への意欲を口にした。

 昨夏の王座奪取後、試合前の7月27日にメキシコで検査した検体から禁止薬物ジルパテロールの陽性反応が出たことが発覚した。家畜の成長促進剤で、ネリ側は牛肉に混入していたと主張。結果、WBCは過去の検査がすべて陰性で、意図的摂取の証拠もないとして、ベルト剥奪などの処分はなしとし、山中との再戦交渉に入るように命じられていた。

 一連の騒動に対し、この日は自ら「食品の摂取によるもの。メキシコでは他の競技、サッカーなどでも同じ問題が起こっている」とあらためて述べ、今回の試合に向けたWBCによる2度の検査でも陽性反応は出ていないとした。食事は「再発」を防止するために有機野菜を食べることを徹底。牛肉は米国産の有機品を取り寄せるなどして、対応してきたという。調整への影響は「関係ないと思う」と否定した。