ボクシングの世界前哨戦を期す日本スーパーバンタム級タイトル戦が、10日に都内で発表された。

 7月27日に東京・後楽園ホールで、同級王者久我勇作(27=ワタナベ)がV3戦で同級1位和気慎吾(30=FLARE山上)を迎え撃つ。ともに複数の団体で世界ランク入りし、久我は初挑戦、和気は再挑戦で悲願を目指している。その2人が激突し、世界へのステップをかけたサバイバルマッチとなる。

 2人は2度スパーリングしたことがある。久我がまだ4回戦時代と和気が16年に世界挑戦前。久我は「すでにトップクラスで、対戦するとは思わなかった」と言えば、和気は「勢いあり、まったく別人で当時の印象は関係ない」と言った。

 久我は昨年2回TKOで王座を獲得し、3月のV2戦は1回TKOで一気に世界戦線に躍り出てきた。「これに勝って、みんなに認められて世界へ行きたい」。和気は世界初挑戦は完敗も、再起後4連続KO勝ちしている。「世界の前にハラハラする厳しい試合をやりたかった」と、ともに待ち望んだ一戦となった。

 久我は釣り好きで相手を「引きが強い」とスズキに例えた。和気はリーゼントが売り物だが「髪形で競うのはやめます」と言いつつ、日本王座戦では異例の会見に備えて市販のもので髪を染めてきた。和気は強みを聞かれると「身長。リーチにもつながるので自分の距離になる」と答えた。

 久我は月末に長野・諏訪湖で走り込み、和気は6月にフィリピンでスパー合宿する。久我は「しっかり盛り上げて倒して勝ちたい」、和気も「正面から打ち合い、必ず勝ちます」とともに必勝を期した。