元世界4団体ミニマム級王者で、東京オリンピック(五輪)出場を目指す元プロボクサー高山勝成(35=名古屋産大)が5日、スイスのAIBA(国際ボクシング協会)本部への訪問から、関西国際空港に帰国した。

 高山は5月30日に訪問し、事務局長と1時間に及び、会談。その内容から「僕の挑戦を応援してくれる、力強い言葉をいただいた」と話した。

 高山が、日本ボクシング連盟(JABF)に求めるアマチュア登録について、具体的な助言も得た。それは、<1>JOCからJABFに規約改正を働きかけてもらう<2>AIBA主催のプロ国際大会WSB(ワールド・シリーズ・オブ・ボクシング)に出て、五輪出場権をつかむ-などのアドバイスだったという。

 高山はWSBについて「ビックリした。そういうルートがあるのかと」と話すが、WSB出場にもJABF登録が必要になる。またAIBAは、プロの五輪参加を歓迎しており、高山に好意的な立場を取ってはいるが、各地域団体のガバナンス(統治)を尊重しているため、残念ながらJABFに直接的な働きかけをする予定はない。

 このため、今回のAIBA訪問で、状況が劇的に好転した訳ではなく、従来通り、日本スポーツ仲裁機構(JSAA)に申し立てたスポーツ調停のルートでJOCを通じて、JABFが対応するよう訴えていく。