真夏の祭典が開幕を迎え、15年連続15回目の出場となった真壁刀義(45)が初戦を白星で飾った。

 YOSHI-HASHI(36)の猛攻を耐え切り、11分5秒、最後は貫禄の大技で仕留めた。団体でも抜群の知名度を持つ09年大会覇者。「年寄り」と自認しながら、まだまだ健在ぶりをアピールした。

 受けきって、受けきって、ただ真壁の動きには力が残っていた。YOSHI-HASHIのバタフライロックの連発で締め上げられ、苦悶(くもん)の表情を見せながらもロープに逃げると、そこからが雑草男の真骨頂だった。ラリアット1発で形勢を変え、スパイダージャーマンからキングコング・ニードロップにつなげて一蹴。「あのクソ野郎は俺の草履持ちだった。強くなった。たいしたもんだ」と認めつつ、「まだ余裕だな。俺はキャリア22年目、年寄りだぞ、プロレス界では」とまくし立てた。

 大ベテラン。テレビ、CM出演など多数の人気者だ。知名度も抜群だが、本業はレスラー。毎年1回のG1こそが輝く場所だと燃える。「プロレスラーだからよ。楽しみでしょうがねぇ」。今年は特に心境が変化した。「45歳にして血気盛んな気持ちを自制できるようになったら、試合にすごく集中できる。なんか肩が軽くなったな」。

 09年の優勝を「誰も覚えてねえだろ」と指摘する。ここ4年は負け越しが続き、リング内では輝きが足りない。だからこそ、「年寄り」は期するものがある。「意地でも最後までしがみつき、やつらの壁になってやる。そして、たたきつぶしてやる」と後輩を蹴散らしていく。