WBC世界ライトフライ級王者拳四朗(26=BMB)は同級7位サウル・フアレス(28=メキシコ)を判定で下し5度目の防衛。

WBA世界バンタム級王者井上尚弥(25=大橋)の弟でWBC世界バンタム級5位井上拓真(23=大橋)は判定勝ちで亀田3兄弟以来となる国内2例目の兄弟王者となった。

国内で初の世界戦メインを務めるWBO世界スーパーフェザー級王者伊藤雅雪(27=伴流)は同級1位エフゲニー・チュプラコフ(28=ロシア)を7回TKOで下し2度目の防衛に成功した。


WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦



王者拳四朗(26=BMB)判定(3ー0)サウル・フアレス(28=メキシコ)

終始試合を支配した拳四朗が危なげなく判定勝ちした。序盤から距離を保って闘い、2回にはパンチが顔面を捉える頻度が増えた。中盤からは上下に打ち分けてダメージを与えた。フアレスをコーナーに追い詰める場面もあったが、ダウンを奪うには至らなかった。フアレスは前に出る迫力に乏しく、有効打も少なかった。


「すごくフアレス選手が頭を動かして。相手に合わせすぎたこところあって反省点。素直に喜べないけれど。来年につなげられたらと思います。(この1年で)やっぱ距離的は成長したかなと。また距離が分からなくなって相手に付き合いすぎた。また反省して、強くなるので」


4回、フアレスにパンチを見舞う拳四朗(撮影・たえ見朱実)
4回、フアレスにパンチを見舞う拳四朗(撮影・たえ見朱実)
8回、サウル・フアレス(左)に右パンチを放つ拳四朗(撮影・小沢裕)
8回、サウル・フアレス(左)に右パンチを放つ拳四朗(撮影・小沢裕)
フアレスに判定勝ちしダブルピースする拳四朗(撮影・鈴木みどり)
フアレスに判定勝ちしダブルピースする拳四朗(撮影・鈴木みどり)

WBC世界バンタム級暫定王座決定戦12回戦



井上拓真(23=大橋)判定(3ー0)タサーナ・サラパット(25=タイ)

井上拓は賢く闘い、逃げ切った。1、2回は攻勢を仕掛けてポイントを取った。3回からはフットワークを使って後退しながら有効打を稼いだ。タサーナの出はなや打ち終わりに、左フックや右を的確に合わせた。4回には右のカウンターでぐらつかせた。タサーナは前進を繰り返したが、最後まで間合いをつかめず、打撃の威力、的中率とも欠いた。


「最高です。みなさんの声援のおかげで最後まで踏ん張ることができました。1回でインパクトある試合を狙いすぎてズルズルいってしまった。こんな内容じゃナオ(兄尚弥)に並んだとは言えない。これから並べるように精進していきたいです。まだまだ暫定。正規のチャンピオンじゃないので喜んでいられない」

2回、サラパットにパンチを見舞う井上拓(撮影・たえ見朱実)
2回、サラパットにパンチを見舞う井上拓(撮影・たえ見朱実)
6回、サラパット(右)に左パンチを放つ井上拓。左はセコンドで見守る兄尚弥(撮影・小沢裕)
6回、サラパット(右)に左パンチを放つ井上拓。左はセコンドで見守る兄尚弥(撮影・小沢裕)
サラパットに勝利した井上拓(右)は兄尚弥と記念撮影(撮影・鈴木みどり)
サラパットに勝利した井上拓(右)は兄尚弥と記念撮影(撮影・鈴木みどり)

WBO世界スーパーフェザータイトルマッチ12回戦



王者伊藤雅雪(27=伴流)TKOエフゲニー・チュプラコフ(28=ロシア)

伊藤が冷静な試合運びを披露した。立ち上がりは頭を下げて密着する相手にてこずったが、中盤以降は的確なジャブとフットワークを生かしたワンツーから主導権を握る。5回からは出足の鈍った相手をロープ際に追い詰めて有効打を当て、7回の連打で一気に畳み掛けて仕留めた。チュプラコフは粘り強く食い下がったが、手数が少なかった。


「僕には一撃必殺のパンチもないですし、井上尚弥君みたいなスペシャルな選手にもまだまだなれないですけど、ハートがある。そういう気持ちをどんどん見せていって、僕にしかなれないチャンピオンになっていきたい。来年はもっと大きな試合をして、強い相手とどんどん戦っていきたい」


1回、チュプラコフにパンチを見舞う伊藤(撮影・たえ見朱実)
1回、チュプラコフにパンチを見舞う伊藤(撮影・たえ見朱実)
7回、チュプラコフ(右)をコーナーに追い詰めTKO勝ちを収めた伊藤(撮影・小沢裕)
7回、チュプラコフ(右)をコーナーに追い詰めTKO勝ちを収めた伊藤(撮影・小沢裕)
エフゲニー・チュプラコフに勝利し、初防衛を果たした伊藤(撮影・たえ見朱実)
エフゲニー・チュプラコフに勝利し、初防衛を果たした伊藤(撮影・たえ見朱実)