ボクシングのWBC世界バンタム級暫定王者井上拓真(23=大橋)が早くも王座統一戦への強い意欲を示した。

30日、東京・大田区総合体育館で同級2位タサーナ・サラパット(25=タイ)を判定で下し、WBA世界同級王者の兄尚弥(25)に続き、兄弟世界王者となった井上拓は31日、横浜市内の所属ジムで会見。「やっぱり仮にも暫定(王者)なので正規王者になるまでしっかりやりたい」と王座統一戦への思いを口にした。

バンタム級のWBC王座は体重超過したルイス・ネリ(メキシコ)が山中慎介に勝利した後から空位の状態が続いてきた。WBCは同級1位ウバリ(フランス)-同級3位ウォーレン(米国)の正規王座決定戦を指令したが、両陣営の交渉が難航。計画されてきた6月、10月が次々と流れ、12月もテレビ中継の問題で延期に。ようやく来年1月19日、米ラスベガスでWBA世界ウエルター級王者マニー・パッキャオ(40=フィリピン)の防衛戦のアンダーカードとして再びスライドされたばかりだ。

井上拓は「まだ(決定戦に臨む2人の)情報は仕入れていない」といいつつも「早く正規王者になりたいですね」と王座統一戦を見据えれば、父真吾トレーナー(47)も「喜びはありますけどしっかり統一した時に本当の喜びが来ると思う」と気持ちを切り替えた。さらに大橋秀行会長(53)は「次は統一戦を絶対にやらないといけない。正規王座に臨む2人はいずれもサウスポー。良いサウスポーの練習パートナーを連れてきたいと思う」と準備を進める意向を明かしていた。