挑戦者の同級3位小西伶弥(25=真正)が、2度目の世界挑戦も完敗で散った。同級王者フェリックス・アルバラード(30=ニカラグア)に最大8ポイント差の判定0-3で敗れた。昨年3月に世界初挑戦も惨敗。リベンジを期したが世界の壁にまたも阻まれた。

完敗の弁しか出てこなかった。傷だらけの顔をしっかり上げた小西は「レベルが違う。思った以上に相手が上。自分はまだ、世界というレベルじゃなかった」と現実を認めた。

34勝30KOのキャリアを誇る王者アルバラードの巧みさは、想像を超えた。「思った以上に効いた」というボディー攻めに攻め手を失った。2度目の世界挑戦に向けて120回超のスパーリング。沖縄のメーカーの薄い練習用グローブを取り寄せた。拳でどの部分が当たるか、感覚でつかむため。「最高の仕上がり」と自信を持って臨んだが、世界の壁は厚かった。

陸上100メートルを11秒台で走るアスリート。元3階級世界王者の長谷川穂積にあこがれ、真正ジムの門をたたいた。世界王者も通過点。しかし、その壁の厚さを思い知った。「(世界初挑戦の)前回よりショックは大きい」。巨大な壁に阻まれた悔しさは必ずぶち壊す。【実藤健一】