ボクシングWBC世界ライトフライ級王者拳四朗(27=BMB)が2日、都内の三迫ジムで練習を公開した。12日にエディオンアリーナ大阪でV6をかけて、同級1位ジョナサン・タコニン(32=フィリピン)を迎え撃つ。

アマ高校5冠の重岡銀次朗(19=ワタナベ)を相手に、軽めながら2回のスパーリングを行い、軽快なフットワークと距離感を生かした動きを披露した。当日テレビ解説する元世界王者山中慎介氏が視察。「動きも軽く、調子は良さそう。5回防衛してくると、調整もうまくなり、一番充実している時期。どう内容でアピールするか」とV6に太鼓判を押された。

左対策として、タコニンとは昨年2日間スパーリングしている。序盤は打ち合いで押されたが、後半は距離をとって優位だったという。今回は世界ランカーの同じフィリピン選手をパートナーとして呼び、6月末まで2週間仕上げのスパーをこなした。「タコニンは一発のある相手だが、足を止めず、自分の距離感を保ち、ペースを崩さずにいければ。一番自信のジャブで」とやることは決まっている。

7カ月ぶりの試合となるが、逆に成長の手応えも感じている。「防衛を重ねて自信もつき、王者の自覚が出てきた。もっと強くなろうと、ボクシングを考えるようになった。必死で勝つことから、戦い方を考え、組み立て、修正もすぐできるようになった。ボクシングを理解できるようになった」と話した。

今回は初の地元関西で生中継もされる。応援団も前回の600人から1000人と激増。「モチベーションは上がる。いいところを見せたい」と喜ぶが、今までのようにはしゃぐことはない。前回は圧倒しながらも、KOを逃した。「前回学んだことは大きい。倒したいが、気にせずに倒したい。あくまでも冷静に焦らずに倒したい」。口調も冷静だった。

この階級では具志堅が日本人最多でもある13回防衛している。V6となれば、渡嘉敷を抜き、田口の7回に次ぐ歴代単独3位となる。父でもある寺地会長は「次は10回が目標も、弱い相手とはやらない」。拳四朗も「強い人に勝って目立ちたい」。童顔の世界王者はさらなる成長、進化を見せつけるつもりだ。