ボクシング前WBA世界ミドル級王者で同級3位の村田諒太(33=帝拳)が、世界戦を9日後に控えてスパーリングを初公開した。12日にエディオンアリーナ大阪で、同級王者ロブ・ブラント(28=米国)との再戦で王座奪回を狙う。3日に都内のジムで練習を公開したが、試合発表後では初めて報道陣の前でスパーを2回こなした。

ジャブを突いてくる相手に対し、村田はプレッシャーをかける。ジャブをかわしてロープを背にさせ、何度も連打を浴びせた。インターバルでは見守った本田会長と「調子はいいです。もっとプレッシャーをかけますか?」と確認していた。

言葉通りに2回も村田が積極的に攻め込んだ。今回は合計4人を米国からパートナーとして呼んだが、アイザック・スティーン(22)が相手。12勝(10KO)1分け1無判定というスーパーミドル級のホープを攻め立ててゴング。「棒立ちにならずに足腰に力ある状態で前に出る」。思惑通りの動きを見せて、好調な仕上がりぶりを示していた。

ブラント陣営のピピトーン・アシスタント・コーチも視察した。「前回よりパワーアップしている。準備はできているようだ。前回よりも村田のパンチは増えるだろう。ブラントももっと増える。勝つ自信はある」と話した。

村田はこれまで130回のスパーを消化した。「迷いなく、気持ちよく練習できている」と手応えも得ている。浜田代表も「今回は試合だけに集中できている。技術も精神面も最高の状態」と太鼓判を押した。スパーは5日で打ち上げる。

昨年10月の前戦では手数で圧倒されて完敗した。「今回からははじめから行く。しっかり流れを作る。勝つことだけ。リベンジしたい。ぶん殴って倒したい。ボクのベストを見せる」と決意を口にした。