愛情たっぷり「シルセ飯」に報いる勝利を-。WBC世界スーパーバンタム級暫定王者の亀田和毅(28=協栄)が13日(日本時間14日)、米カーソンで同級正規王者レイ・バルガス(28=メキシコ)との統一戦に臨む。07年に敗れた因縁の相手にリベンジするため、今回は栄養士のアドバイスを受け、食事改善に着手。すべて手作りするメキシコ人の妻シルセさん(31)が、その秘密を明かした。【取材・構成=高場泉穂】

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300グラムアンダーの55・0キロで計量をクリアした亀田が口にしたのは、食べ慣れた愛妻シルセさんの料理だった。オーガニック食材で作ったスムージーやディップに生セロリ。体に優しいメニューで、リカバリーに務めた。「今回は完璧なコンディションに仕上がりました。最高の状態です」。確かな自信を胸に宿敵バルガスとの大一番を迎える。

この一戦に向け、体力強化とともに取り入れたのが自然な食材を摂取する食事法だった。米ロサンゼルス在住の専門家、小田島勢子さんと専属契約。シルセさんが毎食の写真を送り、その都度アドバイスをもらってきた。炭水化物は朝と昼兼用の1日1回。夜は野菜中心。「和毅の体を見たら何が必要か分かります」とシルセさん。日々の練習に合わせ食事メニューを組み立て、和、洋、時にメキシコ料理も組み合わせた見た目も美しい料理で、夫和毅の体を支えてきた。

「シルセ飯」のモットーはシンプルで、美しいこと。焼く場合は、素材を生かして味は塩のみ。よく食べるサラダはカロリーの高い市販のドレッシングは使わず、自家製だ。「一番作るのは“レモン、オリーブ、塩”。また“いちご、はちみつ、マスタード、バルサミコ”など野菜の内容に合わせて、毎回違うものを作ります」。少ない量で満足感を得られるよう見た目も重視。一つの皿にさまざまな色のが入るよう心がけているという。

妻の努力に亀田は「僕のことを24時間考えて、勉強してくれている」と感謝。以前はコンビニ食も食べていたが、食事を変えたことで「疲れた時に違いがわかる」。半年間厳しいトレーニングをこなせたのも、健康的な食事で、二人三脚で作り上げた元気な体があるから。「僕ができるのはリングの上で結果を出すこと」。愛する妻に最高の結果で恩返しする。