ボクシングの「アマ8冠」中垣龍汰朗(20=大橋)が24日、東京・後楽園ホールでプロデビュー戦(スーパーフライ級6回戦)を行い、豪快な2回TKO勝ちを収めた。

プロ10戦のキャリアを持つ堀井翔平(29=トコナメ)と対戦。初回からジャブでプレッシャーをかけると、得意の左を上下に打ち分け、ペースを握った。2回には、切れ味鋭い左ストレートでダウンを奪取。再開後も冷静にパンチを打ち込み、同回2分2秒にレフェリーが試合を止めた。

デビュー戦を完勝で飾った中垣は「とりあえず安心した。ゆっくりなリズムで距離感を保とうと意識して、それがちょうどはまった。内容的には良かったと思う。お客さんがいる中で勝てて良かった」と試合を振り返った。ダウンシーンについては「8オンスでしっかり打ち込めた。この感覚を忘れないようにしたい」と話した。

福岡で生まれ、3歳で空手、小4でボクシングに出会った。小学校卒業と同時に親元を離れ、宮崎の名門・日章学園に入学。高校では国内5冠、国際大会でも3度優勝と、「8冠」を獲得し、注目を集めた。卒業後は20年東京五輪出場を目指して東農大に進学も、19年の国内予選で敗退し、大学を中退。大橋ジムに入門し、プロの道に進んだ。

当初は5月にデビュー戦が予定されていたが、コロナ禍により、3カ月遅れとなった。リングサイドにはバンタム級2団体統一王者・井上尚弥が座り、元世界3階級制覇王者・八重樫東がセコンドを務めた。中垣は「大橋ジムには、強い先輩がたくさんいるので、追いつけるように頑張りたい。ゆくゆくは世界チャンピオンになって、みんなに知ってもらえるボクサーになりたい」とさらなる活躍を誓った。

◆中垣龍汰朗(なかがき・りゅうたろう)1999年(平11)9月25日、福岡県小郡市生まれ。宮崎・日章学園中、日章学園高から東農大。高校1年でインターハイ、アジアジュニア選手権、2年で選抜、国体、カザフスタン国際トーナメント、3年でインターハイ、国体、アジアユース選手権で優勝。アマ時代の戦績は、97戦82勝(19KO)15敗。169センチの左ボクサーファイター。