鹿児島・喜界島出身の久保春平(23=宮田)が逆転TKO勝ちで東日本スーパーフライ級新人王と大会MVPを獲得した。4戦全勝だった富岡浩介(18=REBOOT・IBA)と決勝で拳を交え、3回27秒、TKO勝利。2回にダウンを許しながらも、3回に右ストレートでダウンを奪い、レフェリーストップ勝ちを収めた。来年2月21日に予定される全日本新人王決勝に進出した。

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起死回生の一撃だった。2回にダウンを喫していた久保の右拳がクリーンヒット。右ストレートでサウスポーの富岡を捉え、ダウンを奪い返した。足をふらつかせ、レフェリーに止められた強敵を横目に、リング上で勝利の雄たけびをあげた久保は「相手は高い評価を受けている選手ですが、それほどの強さは感じなかった。1番調子が良かった」と劇的勝利に酔った。

両親に仕送りをするため、高校卒業と同時に上京した。地元ではサッカー部に所属しつつ、駅伝の代表としても活動し「スタミナには自信があった」という。職場の先輩から勧められ、19歳の時に宮田ジムに入門。昨年2月にデビューし「とんとん拍子でここまで来た。世界王者になったら島でパレードしたいので、今は通過点」と、喜界島出身初の全日本新人王獲得に向けて気持ちを切り替えていた。

○…デビュー2戦目で東日本バンタム級新人王となった須藤が技能賞を獲得した。神津との決勝は左フック一撃でダウンを奪い、1回2分21秒TKO勝ち。「相手動画を見て研究した左フックだった。この間、デビューしたばかりで新人王の実感がない。今まで以上の練習をして全日本新人王に挑みたい」と口にした。

○…全勝同士で注目されたフライ級決勝は、日大出身のサウスポー宝珠山(ほうしゅやま)が制した。2戦連続秒殺KOで勝ち上がった苗村との顔合わせ。左ストレートや連打で激しい打ち合いを制した。閉鎖された白井・具志堅スポーツジムから6月に三迫ジム入り。「移籍して強くなっている。フルマークだが、自分の中ではギリギリの試合だった」と振り返っていた。