ボクシングWBO世界スーパーフライ級王者井岡一翔(30=Ambition)が、大みそか決戦へ揺るぎない自信を見せた。

同級1位田中恒成(25=畑中)と31日に東京・大田区総合体育館でV2戦。初の日本人4階級制覇王者として、2人目を狙う相手を迎え撃つ。24日にオンライン会見し、格の違いを見せつけると圧倒勝利を予告した。

井岡には9度目の大みそか決戦で、初の日本人対決となる。過去45度の日本人対決があったが、複数階級制覇王者同士は初。注目の大トリとなるが、井岡は「僕の中ではビッグマッチでも、注目カードでもない」と言い切った。

27戦の実績に引退、挑戦失敗の経験も積んできた。田中は半分の15戦で、調整なしでの同級挑戦に、井岡優位と言われる。「階級とかスタイルでなく、本質的に持っているものが違う。レベル、格の違いを見せる。どの部分でも差を見せられる」。11月の世界戦発表時と変わらず、自信満々の言葉を連ねた。

コロナ禍で1年ぶりの試合も、新たな手応えもある。今年に入ってから週1回ティラピスに取り組んだ。「頭と体を連動させるもの。新たな発見もあった。いい動きにつながっている効果がある」。その成果で制限のある中、同門となった元世界王者比嘉らとのスパーリングも約100回こなしてきた。

普段は米ラスベガスでキャンプを張り、高地でのロードワークとスパーをこなす。サラス・トレーナーと対策を徹底してきた。今回は渡米できない上、11月にサラス氏がコロナに感染した。

幸い重症化はせず、LINEでやりとりし、オンライン指導を受けて「特に問題なかった」。29日にはチームに合流してチーフセコンドに入れる。「1年ぶり。早く会いたい」と井岡には何よりの朗報となった。

練習も公開したが、オンライン制限もあってストレッチとシャドーを5分程度披露するにとどまった。「調整前は不安もあったが、いい状態に仕上がった。今年最後の日に日本が盛り上がる試合をしたい」。

来年3月にはWBC王者ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)と、WBA王者ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)の統一戦が予定されている。「勝者とやりたい」。現役復帰した目的は海外でのビッグマッチ。大みそかはその通過点で圧勝を確信していた。