RIZINバンタム級タイトルマッチで、挑戦者の元王者堀口恭司(30)がリベンジに成功し、王座に返り咲いた。昨年8月の初対決で1回KO負けを喫していた王者朝倉海(27)を右フック2連打で倒し、1回2分48秒、KO勝利を収めた。

右膝手術の重傷から再起し、約1年4カ月ぶりとなったリングで借りを返し、RIZINベルトを取り戻した。01年の猪木祭から始まった年末の格闘技興行20年目のメインを締めくくった。

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「借り」のあった獲物を仕留めた。米団体ベラトール、そしてRIZINの両王者だった堀口が強烈な右ローキックを連打し、朝倉海の動きを鈍らせた。ガードで相手カウンターを回避し、右フック2発でダウンを奪った。レフェリーストップで勝利を挙げた。

「長い間のケガ、負けてからも待ってもらってありがとうございます。(新型)コロナ(ウイルス)で大変な時期ですが、やることやっていれば結果残せるし、いいことある」。

リングで雄たけびもあげた堀口は、昨年11月に右膝前十字靱帯と半月板の手術を受け、車いす生活を余儀なくされた。アスリートとしては選手生命に関わる重傷だったが、ただでは転ばなかった。リハビリ中には30歳にして初めて肉体の回復を目的としたストレッチ法を地道に習得。さらに体を動かせる範囲で新たな練習にもチャレンジした。「この1年で体のケアとか、40歳までできるメンテナンス法を学べた。目標は40歳までやりたいなと思っている」。すべてをプラスに変えてリベンジに成功した。

右膝負傷による長期離脱を理由に、保持していたRIZIN、ベラトールの両王座を返上。朝倉へのリベンジ成功で、1本目のベルトを取り戻した。もちろん通過点。「ベラトールのベルトを取り返したいなと。そこで『戻ったな』と言える」。既に現ベラトール・王者フアン・アーチュレッタ(米国)からも対戦を希望されている。史上最強の「メード・イン・ジャパン」堀口が、復活ロードを突き進む。【藤中栄二】

◆朝倉-堀口初対決VTR 19年8月18日、RIZIN18大会(愛知・ドルフィンズアリーナ)のノンタイトル戦で対戦。開始早々、右カウンターをクリーンヒットさせた朝倉は、堀口がぐらついたところに一気に連打でたたみかけて68秒でKO勝利。その2カ月前にRIZIN、ベラトール両団体のバンタム級王者となった堀口を破る番狂わせで、一躍スター選手に躍り出た。

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