ボクシングの東洋太平洋バンタム級タイトルマッチ12回戦(日刊スポーツ新聞社後援)は14日、東京・後楽園ホールで開催される。元WBC世界同級暫定王者井上拓真(25=大橋)が約1年2カ月のリングで、王者栗原慶太(28=一力)に挑戦する。13日には都内で開かれた前日計量に出席。53・4キロでパスした王者に対し、リミットの53・5キロでクリアし「コンディションはバッチリ整っている。また世界に向けての通過点になる試合」と静かに燃えた。スーパーフライ級に続く東洋太平洋2階級制覇をステップに世界王座への返り咲きを見据えた。

19年11月、WBC世界同級正規王者ノルディーヌ・ウバーリ(フランス)との王座統一戦に判定負けして以来の再起戦となる。昨年11月に米ラスベガスで防衛に成功したWBAスーパー・IBF世界同級王者の兄尚弥(27=大橋)や元世界3階級制覇王者の田中恒成(25=畑中)ともスパーリングを消化。1年以上のブランク期間でフィジカル面、ディフェンスなどの技術のトータルでレベルアップできた手応えがある。

年内の世界王座返り咲きを目指しており、WBC王者ウバーリへのリベンジにも胸の内に秘める。兄尚弥からも細かいアドバイスをもらっているという井上は「ナオからは良い助言をもらっている。(世界挑戦)チャンスがあれば、いつでも」と気合十分だった。