内藤への挑戦はできないのか…。辻陽太(27)が内藤哲也(38)にボコボコにされた。

8人タッグで対戦した辻は、開始前から「内藤! 内藤!」と大先輩を呼び捨て。聞く耳を持たない内藤にゴングを待たずに襲いかかった。序盤は優勢だったが、中盤以降は痛めつけられ場外で倒れ込んだまま。敗れた後も内藤に逆エビ固めを食らい、しばらく立ち上がることができなかった。

デビューから3年。上村、キッドとともにヤングライオンとして力を付けてきた。実力を見せつけたいと、1月に内藤の相手に立候補。シングルマッチの実現に向け、アピールを続けるも受け入れられなかった。その後3月中の対戦を願い、2月からツイッターで「いいね」を募集。「5万5000人集める」と豪語したが、3万6000人しか獲得できず、実現にはいたらなかった。

それでも辻は諦めていない。「今まではリング下から眺めているだけだったが、ついに対角線に立つことができた」。これまでは同じリングに上がることすらほとんどなかったが、このシリーズで28、29、30日とようやく対戦のチャンスをつかんだ。爪痕を残そうと、ターゲットをにらみ付け、必死に食らい付いた。勝利することはできず、内藤からは「明日はリング上できっちり俺を楽しませてくれよ」と相手にされなかった。

メキシコでの修業も視野に入れる27歳。悔しい表情でリングを後にしたが、内藤への闘争心は日を追うごとに大きくなっている。「シングルマッチの提案書を会社に出そうとしたが、こんなんじゃ提出できない。あと1日ある。明日(30日)こそ、あなたを振り向かせる」。内藤を納得させるパフォーマンスで、挑戦権獲得を狙う。【松熊洋介】