総合格闘技(MMA)18年ぶりの開催となった東京ドーム大会。第1試合は、サラリーマンファイター弥益ドミネーター聡志(31=team SOS)が、“ブラックパンサー“ベイノア(25=極真会館)に判定2-1で勝利した。

立ち上がり、極真空手出身のベイノアに対し、寝技での戦いを求めたが、相手にされなかった。右ストレートを浴びてからは防戦一方の展開。それでも2回以降は相手の懐に飛び込み、ロープ際に追い込むと、寝技の展開に持ち込み、ダメージを与え続けた。途中ベイノアが、2度の故意にロープをつかむ反則を取られ、レッドカードとなったこともあり、判定勝ちとなった。

RIZIN初参戦となった昨年大みそかの朝倉未来戦では、得意のステップから右膝の蹴りを浴びせたが、1回4分20秒でKO負け。年末の仕事が忙しい中、仲間のサポートもあり、休日出勤しながら仕事を終わらせ、試合に備えたが、勝利を持ち帰ることはできなかった。「楽しくてしょうがなかった。またこんな夢のような時間があればいい」と号泣していた。見事2戦目でリベンジを果たし、今度は喜びの笑顔と涙を見せた。

試合前から“トークバトル”も繰り広げた。1日の会見では、仕事によりビデオメッセージでの出場となったが「キックボクシング王者のベイノア選手が、老舗MMA団体の元王者を相手に選ぶという、並外れたリスクマネジメント能力の低さ、リテラシーの欠如によって出場機会をいただけた」と軽く挑発。後に「ちゃんと出て話した方が良かった」と納得はいかなかったようだが、芸人としても活動するベイノアには十分な“ダメージ”を与えた。

「支配者」を意味する名前のドミネーターはDEEP時代に、マネジャーが付けたという。「最初は恥ずかしかったが、いまさら引っ込みが付かない感じ。最近は愛着も湧いてきた」と話す。「会社員としてのプライドもある」。リングを“支配”とまではいかない内容だったが、弥益が悲願の勝利を手にした。

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