リーグ戦突破が見えてきた。「N-1 VICTORY」Aブロックの清宮海斗(25)が杉浦貴(51)に逆転勝ちし、準決勝進出に王手をかけた。

杉浦の強烈なチョークで意識を失いかけたが、必殺技の五輪予選スラムだけは食らわなかった。「終わりだー」と持ち上げる杉浦の一瞬のスキを突き、回り込んでロープに跳ね返すと、戻ってきたところを丸め込み、後方回転エビ固めで3カウント。「ここを乗り越えたことは大きい」と興奮気味に話した。

ギリギリではあったが、19日に続いて、メインの試合で勝利し、マイクを握った。険しい表情は変わらなかったが、これまでの負けて「自分がよく分からない」と自暴自棄になっていた清宮とは別人だった。この日もいつもなら覇気がなく終わる場面も、粘り強さが戻り、ふらふらになりながらもカウント2で返した。

残る“敵”は武藤敬司。突破をかけた一騎打ちとなった。3月に武藤の持つGHCヘビー級のベルトに挑戦して敗れ、そこから苦悩の日々が始まった。「残すはあと1つ。武藤を倒してもう1度ここに立つ」。勝てば、完全復活となる3年ぶりの優勝が見えてくる。【松熊洋介】