世界初挑戦でWBC世界ライトフライ級王座を獲得した矢吹正道(29=緑)が一夜明けた23日、オンラインで会見に臨んだ。

前王者寺地拳四朗(29=BMB)との激闘で、大きく腫らした両まぶたをサングラスで隠した。「腫れてるんで寝たらダメと、ずっと起きてました」。一睡もせずに喜びをかみしめていたはずだが、「今の心境といってもパッとしないですね」と言った。

「一番強い選手とやりましたから」と試合後に、このまま引退の可能性も示唆した。その考えについても「昨日言った通りですね」と変わりはない。常によぎるのは恭子夫人と1女1男の家族の存在。「自分は家族がいるんでね。今回にしてもへたしたら失明もありえる話なんで」と家族のことを最優先する。

ただ、少年時代に補導歴50回超の“元ヤンキー”が世界王者とキャラクターは抜群で、今後のメディア露出や年末に向けてビッグマッチのオファーが舞い込む可能性もある。「今はゆっくりしたい」と話す矢吹だが、「そうなったら考えます」と前向きな姿勢も示した。