キックボクシング界の「人獣」がRISE戦線を駆け上る。

元DEEP☆KICK60キロ級王者の中村寛(24=BK GYM)が、RISE大阪大会(11月14日、丸善インテリックアリーナ)でYA-MAN(25=TARGET SHIBUYA)と対戦することが発表された。13日、会見に出席した中村は「KO率(13戦10勝9KO)見たら(勝負は)分かる。打ち合いにもならない」と余裕の表情を見せた。

反感を買うことを承知の上で、自ら挑戦状をたたきつけた。9月23日のRISE横浜大会で直樹-白鳥戦の後に突然リングに上がり、椅子を投げ入れた。勝利し、他団体への参戦を語った直樹に怒りをあらわにし「延長でダウンもさせていないやつが、RISE背負うとか言うな。直樹、11月ベルトかけてやらへん?」と対戦を要求。その後、選手やファンからは反発の声も上がった。その後同大会で試合をしていたYA-MANが「同階級だし、下から並び直せと。63キロのランキングで新参者なので、まずは俺とやれ」との発言で対戦が決定した。

中村はこの日の会見で「直樹にムカついたので。(後は)想像にお任せしますわ」と語るにとどめた。登壇直後には激しくにらみ合うなど一触即発ムード。YA-MANからはオープンフィンガーでの対戦を要求された。結局はランキング制度から外れるという理由でグローブを付けての試合となったが「素手でやってもいいよと言ったが断られた。ベルト取って暇になったらいつでもやってやるからそれまで待っておき」と強気の発言も飛び出した。

破壊力抜群の攻撃力から「人獣」と呼ばれる。7月の大阪大会では元K-1王者の大雅と激しい打ち合いの末、判定勝ち。さらなる高みを求め、いきなり王者・直樹への挑戦を直訴するなど、闘争心は誰にも負けない。一方で、関係者によると、普段は困っている老人に手を差し伸べる一面もあるという。リング外では優しさを見せる中村が、リング上で“獣”となってYA-MANに襲いかかる。【松熊洋介】