元WBC世界バンタム級暫定王者でWBOアジア・パシフィック・スーパーバンタム級1位の井上拓真(25=大橋)が王座獲得に成功した。

同級3位で元東洋太平洋同級王者の和気慎吾(34=FLARE山上)と拳を交え、3-0の判定勝利を収めた。4回に右ストレートでダウンを奪うと、左フックと右の強打を効果的に打ち込み、世界挑戦経験もある同級国内トップの和気を撃破した。

井上は「パンチ力も階級の差は感じなかった。体重の乗ったパンチも感じられた」と1階級上でも戦える手応えを示した。スーパーバンタム級でも十分に戦えるファイトにみえたが、父真吾トレーナー(50)は「海外のスーパーバンタム級は何もかもが違う。バンタム級の方がよりよいパフォーマンスが見せられると思う」と現時点で適性体重が兄尚弥(28)と同じ階級であると強調。大橋秀行会長(56)も「これで、またバンタム級に戻す方針。最近ではジムでも1番の出来になっている。練習の良さが試合で出るようになれば兄とは違ううまさ、魅力が出る」と期待を寄せた。

今年1月に東洋太平洋バンタム級王者栗原慶太(一力)を9回負傷判定で下し、国内の強敵に連勝した。大橋会長は「全体的にみれば拓真の完封だった。2試合続けて国内トップを完封したのは大きな収穫だった」と世界前哨戦での収穫を口にしていた。