シュートボクシングの女王RENA(30=SHOOTBOXING/シーザージム)が、5年ぶりの再戦で元レスリング世界王者の山本美憂(47=KRAZY BEE/SPIKE22)を返り討ちにした。

1回残り70秒から山本にテイクダウンを奪われた、下から腕ひしぎ逆十字固めを決めたが、惜しくも山本に逃げられた。2回早々に山本にテイクダウンを奪われて苦戦したが、立ち上がった後、カウンターの右ひざ蹴りを山本の顔面に決めてダウンを奪い、顔を押さえてうずくまった山本の頭部に拳を振り下ろして、レフェリーストップ勝ちした。

山本のRIZINデビュー戦となった16年9月の初対戦で、ニンジャチョークで一本勝ちしていたRENAは、再び山本に勝利を収めた。

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軍配はRENAにあがった。山本との注目の対決。大会のメインカードを制した。

16年に勝利している相手との再戦だが「まったくの別人だと思っている」と油断なく臨んだ。BRAVEジムの宮田和幸氏に師事し、レスラー対策の練習を積んだ。元レスリング世界女王を攻略するため、研究を重ねていた。

「新しい環境にワクワクしている。今までで一番練習している」と話すなど、1年ぶりの試合でも準備はほぼ完璧だった。

自分に対し、いつも自信を持って臨むことができるようなタイプではない。MMA戦績14戦11勝を誇るが「私って本当に強いのかな?」と悩むこともあった。

だが、5年ぶりの再戦へ胸が高鳴った。その間、引退を示唆したこともあったが、やはり戦いの場は特別だった。

前回対戦では、相手のセコンドに山本の弟、“KID”徳郁さんがいた。試合後に「やりかえす!」と言っていたのをよく覚えているといい、「いつかまたやると思っていた。この時なんだな」としみじみと話していた。それだけに、RENAは、運命的な再戦に「KIDさんと戦う気持ちで練習してきた」とも言った。

相手の後ろには、亡き弟KIDさんが、いたはずだ。だが、「私の後ろにも、支えてくれている人たちがたくさんいる」と自分を信じ貫いて結果を出した。

さらなる高みを目指す。目標はベラトール参戦。「年末になるのか、来年になるのか。アメリカに行って試合がしたい」とも話す。RENA最終章は、まだ始まったばかりだ。

RENA再戦山本美憂を撃破 ボビー・オロゴン一本勝ち/RIZIN詳細―>