RIZIN32が初の沖縄開催で行われた。第13試合ではシュートボクシングの女王RENA(30=SHOOTBOXING/シーザージム)が、5年ぶりの再戦で元レスリング世界王者の山本美憂(47=KRAZY BEE/SPIKE22)を返り討ちにした。
第10試合では14年ぶり総合格闘技参戦のボビー・オロゴン(55=ぼびバラチーム)が、北村克哉(35=チーム北村/武蔵村山さいとうクリニック)に一本勝ちを決め「みそぎ」を果たした。
◆試合経過
第1試合 キックボクシングルール:3分×3回/55キロ
寺山遼冴 | ○ | 3-0 判定 | ● | 弘樹 |
寺山遼冴(17=TEAM TEPPEN) 無事勝ててよかったが、倒し切りたかった。自己採点は20点。思った以上に相手がタフで打たれ強かった。(初出場の大舞台は)今回は試合だけに集中していたので大丈夫だった。試合中もセコンドの声は聞こえた。今後、もっと強くなってRIZINさんに呼んでいただけるのであれば出たい。キックボクシングをやっている以上は、天心以上を目指したい。
弘樹(29=Y‘ZD南堀江GYM) 想像していた以上に強かった。動画で研究していた時はパワーがないと思っていたが意外とありましたね。(ダウンさせられたが)地元・沖縄で応援に来てくれている人たちのことを思って立ち上がった。2回3回で打ち返していけた。(今後は)何も考えていない。休憩したい。
第2試合 MMAルール:5分×3回/58キロ
TARKER | ● | 3-0 判定 | ○ | 関原翔 |
関原翔(28=K-PLACE) 楽しかった、本当に。泥臭く一生懸命に戦って出し切れたかな。(声を出す場面もあったが)向こうも「来てくれ」という感じだったので「おっしゃ行くぞ」と。これで5連勝になるんで、(今後は)DEEPのベルトを取りたい。RIZINフライ級の戦いに絡んでいけるようになりたい
TARKER(27=ALIVE沖縄支部シマジリアンズ) とりあえず殴りあえてすっきりしています。相手の印象はそこまで変わらなかった。途中、自分の殴り合いに付き合ってくれてよかった。(初出場で)テンションすごく上がった。もっと強くなってまた出れるようにしたい。
第3試合 キックボクシングルール:3分×3回/73キロ
宮城寛克 | ○ | 1回 KO | ● | ロペス薩摩 |
宮城寛克(30=赤雲会) 一言でうれしい。50歳のベテランの気迫を感じた(地元)沖縄の地でビッグイベントを開いてもらい、出させてもらって光栄。大みそか大会に出たい。相手は誰でもいい。
ロペス薩摩(50=薩摩ジム) おじさんの意地を見せようと思ったが、おじさんのヘタレなところを見せてしまった。(相手は)思った通り出来が良くていい選手。素晴らしい大会に参戦させていただいて非常に光栄。(今後は)限られてくると思いますので、次の若い選手につないでいきたい。
第4試合 MMAルール:5分×3回/74キロ
熊沢伸哉 | ● | 2回 一本 | ○ | タナー・ロレンツォ |
タナー・ロレンツォ(25=琉球ファイトクラブ) 試合の直後は膝をケガして心配だったが、勝ったことが現実とは思えない程うれしい。対策がうまくできたんじゃないか。(バナナを食べながら)ここしばらく食べた中で一番おいしい食べ物(とにっこり)。(今後は)これから焼肉食べてビールを飲んで寝て仕事に行きます。
熊沢伸哉(40=闘心道) 武道家としてのデビュー戦のつもりだったが、物語のスタートが敗北という形だった。(相手は)思ったより強かった。負け惜しみだが、格闘家でやっていれば勝てたんじゃないかと。ずっとテレビで見ていた場所にいることがすごく光栄。
第5試合 女子MMAルール:5分×3回/49キロ
にっせー | ○ | 2-1 判定 | ● | 古賀愛蘭 |
にっせー(26=チームにっせー/アローズエンタテインメント) 地元・沖縄のRIZINで勝てて本当にうれしいです。最高でした。こんなに大勢の観客の前で試合ができて、入場する前から「自分が出るんだ」と泣きそうでした。(今後は)DEEPミクロ級のタイトルマッチで負けた大島沙緒里選手にやり返したい。浜崎選手に近づけたら。
古賀愛蘭(あいら、20=TEAM FAUST) 単純に自分が弱かった。相手の印象はそのまま。パンチは当たっていたので、いけるなという手ごたえがありました。3戦目でこんな大舞台に立たせてもらったことがすごい経験。今後は修正して、もっともっと強くなるだけです。目指しているのは世界、見合う選手になりたい。
第6試合 MMAルール:5分×3回/57キロ
安谷屋智弘 | ● | 1回 TKO | ○ | 宮城友一 |
宮城友一(38=キックボクシングDROP) ほっとしています。気合も入っていたし最初から来るだろうなと思っていたので、速い衝突になった。完全に練習通りという感じ。(地元・沖縄のリングは)すごく気持ちが良かった。人生で1番大きな舞台だったので上がっただけで幸せ。RIZINに出続けたい。
安谷屋(あだにや)智弘(34=氷ヲ刻メ/池田道場) とても悔しい。(相手の印象は)あんな感じなのかなとは思っていたが、まさか警戒していた膝を食らうとは。(今後は)とりあえず帰って、少し休んでから考えたい。
第7試合 MMAルール:5分×3回/57キロ
越智晴雄 | ○ | 3-0 判定 | ● | 曹竜也 |
越智晴雄(37=パラエストラ愛媛) もっといい勝ち方をしてマイクでしゃべりたかった。最低限の勝利ということで、うれしさ半分悔しさ半分といったところ。(相手は)組んだ時のパワーがあって、なかなかイージーにテークダウンできなかった。課題が残る試合だったので、ここの階級で勝っていくためにはまだ改善が必要。(今後は)小さい人間が大きい人間を倒すところを見せたい。
曹竜也(36=氷ヲ刻メ/池田道場) 全ての攻撃が重たかった。強かった。想定していたものがしっかりきたというか、自分が手数を出せなかったのが敗因。最高の舞台に立てて本当に良かった。キャリア終盤だが、少しの手ごたえを感じたので、なんとか取り返したいと思う。
第8試合 MMAルール:5分×3回/72キロ
大原樹理 | ○ | 1回 TKO | ● | 渡慶次幸平 |
大原樹理(31=KIBAマーシャルアーツクラブ) 「無事に」という言い方はおかしいが、久しぶりのRIZINでKOできたのがうれしい。(相手は)映像をいっぱい見てたので大体変わらないが拳が固かった。ダメージがないので、年末に呼んでもらえたら出たい。誰っていうのは特にないが、ずっと大ファンだった五味選手と戦えたら。
渡慶次(とけし)幸平(33=クロスポイント吉祥寺) 申し訳ない気持ちでいっぱい。すごく強い選手だった。打ち合いにきてくれたから、試合としてはいい試合になったんだと思う。結果で見せたかったんですが、落とされちゃったんで仕方ない。負けて終わりじゃないので、今日を無駄にしないためによりよくしていく。格闘技を通して弱い立場にいる子供たちに夢や希望を与えたい。
第9試合 MMAルール:5分×3回/72キロ
ロクク・ダリ | ● | 3回 TKO | ○ | “ブラックパンサー”ベイノア |
“ブラックパンサー”ベイノア(26=極真会館) 押忍!Yogiboに座れてよかった。力やスピードはやってみないとわからないという不安はあったが、体力だけは自分が勝っているという自信があった。(解説の那須川に「たまたまだ」と言われたが)完全に狙った。たまたまではない…ということにしておいて(笑)。大みそかの候補に残れたかなと思う。
ロクク・ダリ(28=TRI.H Studio) 今回の試合は勝てるように頑張って練習した。勝てると思っていたのでショックです。(最後のパンチは)覚えていない。殴りあって、起きたら下にいた。(ベイノアには)おめでとう。何も言えない。もっと練習して、今回のようにKO負けしないように頑張る。
第10試合 MMAルール:3分×3回/120キロ
ボビー・オロゴン | ○ | 2回 一本 | ● | 北村克哉 |
ボビー・オロゴン(55=ぼびバラチーム) 本当に私は終わったんですか? 何ラウンドまでやったっけ? これからリングに行くんだっけ? 勝ったんだよ!(相手は)重かった。作戦も全て殺されたけど、冷静にセコンドの指示を聞いてここまでやり切れたんじゃないかな。お互い本気でマジげんかしてたから、ほんとは試合まで放棄しようと思ってたくらい。でも、リングでやって仲良くなった。北村さんという男は一生リスペクトしていこうと思いう。これからは僕の得意分野、「指相撲」の世界に戻ります。一生懸命応援してくれた皆さん、信じてくれた皆さんに差し上げるべき勝利。うちのお母さんも昨日からご飯食べられてないので速く報告したい。
北村克哉(35=チーム北村/武蔵村山さいとうクリニック) フィットネス界を代表して挑んで格闘技との懸け橋になりたかったが、負けてしまったことが不甲斐ない。ボビー選手、対戦してくださってありがとうございました。彼はジェントルマンでトップアスリート。努力して、練習して、起死回生の思いを僕に思い切りぶちまけてくれた。本当に強かった。(試合後は)「お互いに上に上がっていこう。LINを交換しようよ」と言いあった。
第11試合 MMAルール:5分×3回/58・5キロ
砂辺光久 | ● | 3-0 判定 | ○ | 前田吉朗 |
前田吉朗(40=パンクラス大阪稲垣組/ENCOUNRTER) 楽しかったな。(初めてのRIZINは)華やかだった。入場の時は限りなく浮かれてたと思う。18年前にみっちー(砂辺)とやった時もこんな感じだったな、と。試合中はあんまり考える暇はなかった。
砂辺光久(42=reversal Gym OKINAWA CROSS×LINE) 俺が弱かった、それだけ。大将はバツでしょう。でも、沖縄の選手めちゃめちゃ頑張ったよね。沖縄にはいい選手がたくさんいるので、どんどんRIZINへ出してもらいたい。(前田は)うるさいですけど、相変わらず最高のやつ。きっとあいつも辞めないだろうし、また見たいなと思われるように俺が自分の価値を高めるしかないです。
第12試合 キックボクシングルール:3分×3回/62キロ
皇治 | ○ | 3-0 判定 | ● | 祖根寿麻 |
皇治(32=TEAM ONE) 人生うまくいかん。祖根選手はあっぱれ。自分の不利なルールでやっても文句言わずに向かってきてくれた。男です。自分も格好つけて歩んできたが、男の筋を通してきたと思う。シバタ-とかには、男というものを見せてやらんといかんなと。気持ちとしてはまだ20%くらい。大みそかは筋さえ通してくれたら誰とでもやるんで、皆さん期待しておいてください。
祖根寿麻(そねかずま、33=ZOOMER) やられました。あちらが本職で、僕はやっぱりMMA選手だなって思いましたね、本当に。(皇治は)打たれ強かった。年齢も年齢だし、最後にもう一発MMAで勝って、そろそろ引退なのかなと。(地元・沖縄で)仕事はできたかな、沸かせられた。
第13試合 MMAルール:5分×3回/50キロ
RENA | ○ | 2回 TKO | ● | 山本美憂 |
RENA(30=SHOOTBOXING/シーザージム) 率直に言うと楽しかった。5年前とは全然違った美憂さんでした。自信を持ってリングに上がれた。顔も衝撃的ですけど、この勝利は衝撃的だった。自信を持っていろいろ試せるようになったことが本当に楽しかった。もっと上を目指していきたいなと思った試合だった。強くなれているのが実感できているので、もっともっと貪欲にいきたい。
山本美憂(47=KRAZY BEE/SPIKE22) 悔しいです。1回は硬かったが、2回はリズムが取れていた。だが、そこで1個1個集中して見れていなかったのが大きな失点。皆さんの大きないっぱいの愛を感じられて力になった。今後についてはゆっくり考えます。落ち込むタイプではないので、次のことを考えます。まだ伸びしろがあると思っている。