WBO世界ミニマム級1位谷口将隆(27=ワタナベ)が世界王座奪取に成功した。同級王者ウィルフレド・メンデス(25=プエルトリコ)に11回1分8秒TKO勝利。
世界初挑戦だった19年2月は完敗だったが、今回は積極的に攻め続け、2回にダウンを奪取。11回には猛ラッシュでダメージを与え、レフェリーが試合を止めた。同時期に同ジムに入門した世界2階級制覇王者京口紘人(28)にセコンドからサポートを受けた。4年前に世界王者になったライバルの同期に、やっと追いついた。
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王座への執念だった。11回、谷口は左ストレートで王者をぐらつかせると、速射砲のようにパンチを打ち続けた。レフェリーが試合を止めて、TKO勝ち。「ずっと追い求めてきたベルト。夢じゃないかな」。セコンドに入った同期でライバルのWBA世界ライトフライ級スーパー王者京口と抱き合った。
2年10カ月前の世界初挑戦は後手に回って完敗した。同じ過ちは繰り返さない。開始から攻め続けた。2回には左でダウンを奪取。「詰めた方が嫌がっていた。ゴリゴリいった」と終始前に出続けた。
セコンドからの声が支えになった。同じ関西出身で高校時代からしのぎを削ってきた京口。スタイルを知り尽くすだけに「一言一句、すっと入ってきた。勝利の女神ならぬ、勝利の男の神様ですね」と感謝した。
京口とは対照的な人生を送ってきた。ともに16年、ワタナベジムに入門。京口は17年7月、ミニマム級世界王者に。18年には1つ上のライトフライ級の世界王座も奪い、2階級制覇王者になった。一方谷口は17年に日本王座、東洋太平洋王座決定戦に連敗。19年2月の世界初挑戦も見せ場なく敗れた。
同期の背中は遠のく。屈辱の日々だったが、あきらめることはなかった。「根本的にボクシングを見つめ直した」。技術、フィジカルのトレーナーを変更。強化体制を一新し出直した。京口への嫉妬心を消し、プライドも捨てた。普段から積極的にアドバイスを求め、技術の幅を広げてきた。
京口が世界王者になってから4年5カ月。その存在を糧に、世界の頂点に立った。「今日は井上尚弥くんのおまけ。谷口でも見に行こうかと言われるボクサーになりたい」とさらなる進化を誓った。【田口潤】
◆谷口将隆(たにぐち・まさたか)1994年(平6)1月19日、兵庫・神戸市生まれ。中学1年でボクシングを始め、神戸一高、龍谷大でボクシング部に所属。アマ戦績55勝(16KO)19敗。16年4月にプロデビューし、17年4月の日本ミニマム級王座決定戦、同11月の東洋太平洋同級王座決定戦で、いずれも判定負け。18年11月にタイでWBOアジアパシフィック同級王座獲得。19年2月にWBO世界同級王者サルダールに判定負け。20年12月に日本同級王座獲得し初防衛成功。身長162センチの左ボクサーファイター。家族は母、姉3人、弟2人。
◆日本ジムの世界王者輩出メモ 谷口がWBO世界ミニマム級王座を獲得し、所属先のワタナベジムでは5人目の世界王者となった。内山高志、河野公平、田口良一、京口紘人に続く世界王者誕生で、男子世界王者を輩出した日本ジムではヨネクラジムと並んで3位となった。なお1位は協栄ジムの13人、2位は帝拳ジムの12人となっている。

