総合格闘技RIZINは31日、埼玉・さいたまスーパーアリーナで33大会を開催する。15年の団体創立から欠かすことなく大みそか開催を続け、今年で7回目を迎える年末の祭典だ。

当初、新型コロナウイルス変異株「オミクロン株」の政府政策による外国人の不参加で、ファンからは迫力不足を不安視する声もあがった。それでもふたを開けてみれば、朝倉海らが出場するバンタム級トーナメントを筆頭に、ライト級王者ホベルト・サトシソウザの初の防衛戦、那須川天心ラストマッチ、朝倉未来リベンジマッチと、粒ぞろいの好カードがそろった。日刊スポーツでは同大会の見どころを前後編で紹介する。前編は、大会のメインとなる日本GPバンタム級トーナメント。

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今年6月の東京ドーム大会から16人でスタートした同トーナメントは、残すところあと4人、準決勝と決勝の3カードのみとなった。9月の埼玉大会で行われた2回戦を突破した朝倉海(28=トライフォース赤坂)、瀧沢謙太(27=フリー)、扇久保博正(34=パラエストラ松戸)、井上直樹(24=セラ・ロンゴ・ファイトチーム)が出場する。勝ち上がれば1日2試合するハードな戦い。準決勝のカードは、朝倉-瀧沢、扇久保-井上に決まった。

優勝候補の筆頭は、第3代バンタム級王者の朝倉海。強力な打撃を武器にRIZINデビュー6連勝を飾るなど、通算12戦10勝の戦績を誇るが、今回は「すべてにおいて強くなっている」と、いつにもまして自信満々。ユーチューブチャンネルの登録者数103万人を誇るなどタレント性も抜群で、兄の未来とともに総合格闘技界のスターとして注目を集める。王者堀口には昨年大みそかにベルトを奪われており、優勝してリマッチ、さらには海外参戦を見据える。

24歳の井上直樹も候補の1人だ。日本人史上最年少の19歳で世界最高峰の格闘技団体UFC(米国)と契約をした経験を持ち、プロ通算戦績は17戦15勝2敗(1KO、8SUB)。強烈な打撃と、高い寝技スキルを披露する。

扇久保は、4選手最年長で、総合力はトップクラス。昨年8月に行われた朝倉海との王者決定戦では、1回TKO負けを喫している。「30代半ばにさしかかった男の、どんなことをしてでも夢をかなえるという姿勢を見せたい」と気合は十分だ。

ダークホース瀧沢は、粘り強さで勝負する。空手をバックボーンに持ち、MMA流にアレンジしたというリーチのあるパンチが得意。「相手(朝倉海)は強いが、何もさせずに勝つように作戦を練っている」と、秘策があることを明かした。(後編につづく)

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