日本ボクシングコミッション(JBC)による処分を巡って元世界3階級制覇王者亀田興毅氏(35)ら3兄弟側が、JBC側に損害賠償を求めた訴訟で、JBCは10日までに最高裁判所に上告しない方針を固めた。

20年1月の1審判決で4550万円の支払いを命じられたJBCは今年2月の2審判決で賠償額を1億10万円に増額され、控訴も棄却されていた。

13年12月に行われた元世界2階級制覇王者の次男大毅氏の世界戦を巡るトラブルで、JBCは14年2月、亀田ジムの会長とマネジャーの資格更新を認めない決定を下した。資格停止によりジム運営が続けられず、3兄弟は国内での試合が不可能な状況に陥り、約6億6400万円の損害賠償を求めて提訴していた。

現在のJBCは財政的な問題を抱えている。統括機関として試合運営などに影響も及ぼす可能性もある。2審判決後の会見で、JBC永田有平理事長は「国内ボクシング活動を第一に考えたい。試合や選手に迷惑がかからないように一生懸命、努力することが私の仕事だと思っています」と強調。上告については明言していなかった。