ボクシング日本バンタム級14位の木村天汰郎(23=駿河男児、静岡・沼津市出身)が20日、スーパーバンタム級8回戦(東京・後楽園ホール)に出場し、初めて世界戦経験者と対する。相手は、世界タイトル挑戦歴を持つ日本スーパーバンタム級10位の高橋竜平(32=横浜光)。プロ転向後は8勝2分けと負けなしの木村が、19勝(8KO)5敗1分けの高橋戦で、出世への足がかりをつかみにいく。

プロではKO勝ちがない。「自分は打たれ弱い。パンチ力もスタミナもなく、バランスも悪い」と話す一方、予知能力の高さが強み。「次にどんなパンチが来るか、だいたい分かる」。相手の意識が攻撃にいき、守備が甘くなった時に攻め込む。「高橋さんは、技が豊富。たくさんの『引き出し』にのみ込まれず、早い段階で見切って対応したい」と青写真を描いた。

派手なKO勝ちよりも、試合運びの「駆け引き」に魅力を感じている。「攻めていいのかダメなのか、考えるのが楽しい」。自身の弱点に、劣勢の相手が一方的に前に出てきた時を挙げ、「急につまらなくなる。この時、隙を見せないようにしたい」。指導する前島正晃会長(43)は「今回は気持ちが落ち着き、パンチがのっている。ここを勝ってキャリアを伸ばしてほしい」と期待した。【倉橋徹也】

◆木村天汰郎(きむら・てんたろう)1999年(平11)1月4日、沼津市生まれ。金岡小-金岡中-飛龍高。同じ駿河男児所属で、いとこの木村蓮太朗(24)の助言で高校からボクシングを始めた。アマ戦績11勝(2KO)6敗。高校卒業前から左肘痛に悩まされ、東洋大を2年で中退するも痛みを克服し、プロ転向。左パンチとジャブを得意とする右ファイター。168センチ、60キロ。家族は両親と妹。血液型O。