「浪速のロッキー」と呼ばれた元プロボクサーの俳優赤井英和(63)の長男英五郎(27=帝拳)がプロ2戦目で初勝利を狙う。2日、東京・後楽園ホールで開催される東日本新人王ミドル級4回戦で、プロデビューとなるマッチョパパ一基(33=協栄新宿)と拳を交える。1日には東京・文京区の日本ボクシングコミッションで前日計量に臨み、リミット72.5キロでパスしたマッチョパパに対し、400グラム少ない72.1キロでクリアした。

昨年に続き、2度目の東日本新人王挑戦となる。同9月、岡村弥徳(八王子中屋)との東日本新人王ミドル級4回戦でプロデビュー戦に臨んだものの、1回TKO負け。約10カ月ぶりの再起戦でもある。相手はリングネームと同じく筋骨隆々上半身をしているが、赤井は「自分はガタイはある方なので、ハートと技術で勝ちにいきたい。昨年の負けは受け入れてます。負けてしまいましたが、あれは僕にとってのベストだし、少しずつ成長を感じている。練習でやったことをどれだけ出せるか。その自分はあります」と手応えを示した。

父の選手時代の栄光と葛藤を描くドキュメンタリー映画「AKAI」(9月9日全国公開)で監督デビューしている。20年中に編集作業をほぼ完了させ「コロナ禍の社会を勇気づけるため」との発案で製作した映像が映画という形となった。その父からもボクシングの助言を受け「お父さんなりの理想の形はあるので、自分なりに聞いてそしゃくして取り入れている」と試合当日も会場に足を運んでくれる父に感謝。「明日は積み重ねたものを形にして勝ちにいきたい」と口調を強めていた。

◆赤井英五郎(あかい・えいごろう)1994年(平6)9月22日、東京・世田谷区生まれ。小、中学校とラグビー、米ハワイで過ごした高校時代はアメリカンフットボールをプレー。米ウィディア大に進学し、20歳でボクシングを始める。18年全日本社会人選手権ミドル級優勝。趣味は動画編集。好きな選手はロベルト・デュラン、マイク・タイソンら。アマ戦績は8勝(4KO)6敗。家族は両親と姉、弟。身長179センチの右ファイター。