宮崎・日章学園高時代に2冠を獲得した井上彪(たける、23=六島)が11日、大阪市の住吉区民センターで行われた所属ジムの興行内で「公開プロテスト」に臨み、6回戦デビューのB級合格を果たした。

「アマチュアの経験しかなかったので、これほどのお客さんの前は初めて。緊張しましたけど、楽しめました」。相手を務めたのは同じジムの先輩、WBOアジアパシフィック・バンタム級王者の西田凌佑で「右のパンチが硬い」とその素質を裏付けた。

井上は高校1年時に全国高校選抜、2年時にインターハイを制した。近大に進み、卒業後は大阪府警に入るも、プロで世界王者の夢を捨てきれずに今年6月いっぱいで退職してプロの世界に飛び込んだ。

ジムの入門会見で「一時は警察官になったが、もどかしさというか、もやもや、やり残した感があった。いろいろ悩んで悩み抜いて、相談して自分のやり残したことをやりきるためにかじを切りました。親からも反対されたが夢のある世界。決めた以上はしっかりした結果を残したい」と力強く話している。

10月9日に同じ会場でデビュー戦が組まれているが、アマで実績がある“エリート”だけに対戦相手は難航し、いまだ未定という。ただ、夢への第1歩はしっかり踏み出した。「きれいなボクシングだけでなく、泥臭くても勝ちきるボクシングをしたい」と意気込みを語った。