WBC世界ミニマム級14位田中教仁(のりひと、37=三迫)が2度目の世界挑戦でも王座奪取はならなかった。

同級王者パンヤ・プラダブスリ(31=タイ)に敵地で挑み、12回を戦い抜いたものの、0-3(119-109、118-110、116-112)の判定負けを喫した。

前に出てプレッシャーをかけて接近戦を仕掛けた田中はボディー攻撃で相手の体力を削ろうとしたが、テクニックにあふれ、かつ打たれ強い王者パンヤを最後まで攻略することはできなかった。

田中にとって20年3月、WBA世界同級スーパー王者ノックアウト・CPフレッシュマート(31=タイ)に判定負けを喫して以来、2度目の世界挑戦だった。本人の強い希望で再び敵地タイでの世界戦が実現したが、念願の世界ベルトはつかめなかった。

これで日本ボクシングコミッション(JBC)公認によるタイ開催の日本人世界戦は63年1月、ファイティング原田が判定負けして以降、26敗1分けとなった。「負の歴史」をまたも払拭(ふっしょく)できなかった。

JBC規則のボクサー引退年齢の37歳に到達している田中。元日本王者の特例で現役続行は可能だが、タイ入り前に「今回が最後のつもり。死んでも(世界ベルトを)取りたい。人生を懸けた戦い」と世界王座奪取へ、不退転の決意を示していた。