プロボクシング元WBC世界フライ級王者比嘉大吾(27=志成)が来年の世界2階級制覇を見据え、再起2戦目に臨む。15日、東京・後楽園ホールで12連勝中のWBOアジア・パシフィック・スーパーバンタム級9位ソンセン・ポーヤム(23=タイ)とのバンタム級10回戦を控え、14日には東京・文京区の日本ボクシングコミッションで前日計量に臨み、100グラム少ない53・4キロでクリア。ポーヤムは52・7キロでパスした。

フライ級に続き、バンタム級での世界王座獲得を狙う比嘉は「とりあえず明日の試合に勝って、いつでも(世界戦が)組まれたら勝てるようにしておきたい」と気合十分。担当の野木丈司トレーナーも「世界タイトルを見据える内容で準備できている」と太鼓判を押すなど、ボーヤム戦は来年の世界戦に向けたステップとなる1戦となる。

昨年4月、西田凌佑(六島)に1-2の判定負けを喫し、WBOアジア・パシフィック・バンタム級王座から陥落。今年7月の再起戦では元WBOアジア・パシフィック・スーパーフライ級王者フローイラン・サルダール(フィリピン)をダウンを喫しながら逆転での判定勝ちを収めた。比嘉は「前回は(ダウンを喫し周囲を)驚かせてしまった。もらわないように戦いたい。スパっと勝って波に乗りたい」と口元を引き締めた。

15日の興行は、もっとも短時間でKO勝利を収めた選手に向けて主催者から最速KO賞として50万円が贈呈される。メインイベントとなる比嘉はセミファイナルまでの状況を見た上で狙うかどうかを判断するという。「前の選手(日本ウエルター級3位)佐々木尽がすごく気合が入っている。(セミまでに)1回30秒とかがいたら無理にはやらないです」としながらも「フィニッシュはKOで。やってきたことを出したい」と自然体を貫いていた。