“炎の飛竜”藤波辰爾(68)のデビュー50周年記念ツアーのファイナルで息子、LEONA(29)が、父譲りのネバーギブアップ精神を見せた。

第3試合のスペシャルシングルマッチで、新日本プロレスの高橋ヒロムと激突。新日本のジュニア戦士最強決定戦「ベスト・オブ・ザ・スーパー・ジュニア(BOSJ)」3連覇を達成した強敵との一戦に、長髪を短く刈り込んで臨むなど、決意を示した。

だが、LEONAにとって高すぎる壁だった。ゴングと同時にとびかかってスタートダッシュを狙ったものの、すぐに流れを渡してしまう。高橋の強烈なチョップに、なすすべのない状態が続いた。終盤には父の必殺技ドラゴンスクリューやトップロープからのニードロップを繰り出すなど見せ場を作ったものの、最後はヒロムちゃんボンバー(ラリアット)からのビクトリー・ロイヤル(変形フェースバスター)でカウント3を聞いてしまった。

それでも、1度も諦めることはなかった。試合中には会場の「レオナ」コールにも後押しされて、意地のエスケープ、キックアウトを披露。試合後も、足を引きずりながら退場するその目には、確かに「龍魂」が宿っていた。

LEONAは10年前、立大在学時に父の40周年記念大会でプロレスラーデビューを直訴した。その思いに、反対だった母・伽織さんからも賛成を得て、所属していたゴルフ部に退部を伝えて体作りに取り組んだ。格闘技未経験だったが、英国修行も経験した。

あれから10年。同じ父のメモリアル大会で、「藤波辰爾」のそばで学んできたプロレスを見せた。解説を務めた獣神サンダー・ライガー氏からは「藤波(辰爾)さんがジュニアヘビー級を持ち込んだから(LEONA)にはもっともっと距離を縮めていってもらいたい」と発破をかけられた。これからも、偉大な父の背中を追いかけ続ける。