プロボクシングWBAスーパー、WBC、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(29=大橋)が13日、東京・有明アリーナで臨むWBO世界同級王者ポール・バトラー(34=英国)との4団体王座統一戦に臨む。大一番まで2週間を切り、先月28日には元WBC世界同級暫定王者の弟拓真(26=大橋)とのスパーリングで実戦トレを打ち上げていた。現在のコンディションや最終調整など主な一問一答は次の通り。

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-11月28日にスパーリングを打ち上げ。弟拓真を最後のスパーリング相手に選んだのか

「自分の中で、やっぱり拓真も強くなっているし、日頃、一緒にトレーニングして高いレベルを感じるので。最後、拓真とスパーリングして自分の気持ち、4団体統一に向けてしっかり乗せていきたいと」

-拓真とのスパーリングの感想は

「拓真はやはりレベルが高い。当てさせてくれない。拓真の戦績をみれば分かりますが、拓真なりのうまさ、決してKO率は高くないけれど、ダメージを負わないで、しっかりポイントアウトするうまさを感じました」

-兄弟で刺激を与え合える

「同じ日に試合できるメリットであり、気持ちも同じだと思う」

-ここからの調整は

「今のメニューづくりは、ジムに来てから体重と自分がどれだけ動けるか踏まえ、決めています」

-コンディション最優先

「はい、もう実戦的なものはほぼないですね」

-サンドバッグ、ミットはただ打つだけでなく、時間をかけて考えながら打っているように見える

「1発1発、意味なく打ち込むのではなくて、突破口というか、こういう入り方、こういうパンチの出し方をしたら、より効果的にいけるのではないかと、考えながらやっています」

-所属ジム松本好二トレーナーとのドラムミットが多くなったように思うが

「試合前は頼みます。松本さんのトレーナーとしてのキャリアは長いですし、当を得たミットを持ってくれたり、うまくテンションを上げてくれます。自分のテンションを上げたい時期、ラスベガスの試合でもしてもらいましたし。日本に限らずにドラムミットを持ってもらっています」

-今後の調整ポイントは

「とにかく、風邪をひかないことですね。いくら体重を仕上げてトレーニングを最終までうまく詰めたとしても、風邪というのは自分の中で気を付けていてもかかってしまうもの。そこらへんは徹底していきたい。それで体調を崩してしまうのは、もったいないので。今まで試合前に風邪ひいたのは世界初挑戦時だけかな。そこはうまくできていると思います。今は免疫も下がってきますし、あと2週間弱ですが、細心の注意を払っていきたい」

-5日にバトラー来日予定。気持ちの高ぶりは

「ありますね。5日に来日だとどういう対策をしてきたのか。向こうでしっかり対策を練って(試合までの)残りの期間で時差ぼけは取れるのか。それは個人差でしょうけれど。より長く自分の慣れた土地でトレーニングを積んで調整を終えてくると思う。ドネアは比較的早く来日して日本で最終調整していた。バトラーは向こうで仕上げてくる。そういうことも考えながらやっています」

-今年2試合は世界王者との対戦になった

「本当にそうですね。しかも2つとも統一戦ですよ。自分の中では世界初挑戦の14年は2回、ライトフライ級、スーパーフライ級の王者に挑戦していますが、それ以来ですね。今、やりがいをすごく感じています」