日本プロスポーツ大賞授賞式典が2日、都内のホテルで開催され、プロボクシング前4団体統一バンタム級王者の井上尚弥(29=大橋)が大賞を初受賞した。

岸田文雄首相から賞状と内閣総理大臣杯を授与され、笑顔を浮かべた。授賞後、井上は「数ある日本のプロスポーツ、また選手の中からこのような賞を受賞させていただき、大変、光栄に思います。昨年は3団体王座統一戦、4団体王座統一戦と2試合を行い勝つことができ、リング上でファンのみなさまに本当にすばらしい景色を見させていただきました。今年は階級を上げ、さらなる挑戦となりますが、ボクサーとして、また日本プロスポーツ界を引っ張っていく1人として、国民のみなさまにより熱狂していただける試合をお見せできるように精進し、トレーニングに励んでいきたいと思いますので、応援よろしくお願いいたします」とあいさつした。

日本ボクシング界では、第1回となる1968年度の元WBA世界フェザー級王者の西城正三、79年、80年度に連続受賞した元WBA世界ライトフライ級王者の具志堅用高、91年度の元WBC世界バンタム級王者の辰吉丈一郎以来、31年ぶり4人目の大賞受賞となる。

22年度の井上は、6月にWBAスーパー、WBC、IBF世界同級王座統一戦で、元世界5階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)を2回TKO撃破し、日本人初の3団体統一に成功。12月にはWBO世界同級王者ポール・バトラー(英国)を11回KOで倒し、史上9人目、バンタム級初、アジア初、日本人初の4団体統一にも成功。創刊100年の歴史を誇り、権威があるとされる米ボクシング専門誌ザ・リングが選定するパウンド・フォー・パウンド(階級を超越した最強ボクサー)ランキングで日本人初の1位となったことでも注目された。

なおコロナ禍のため、日本プロスポーツ大賞は19年度、20年度、21年度で開催されておらず、授賞式典は4年ぶりの開始となった。