真っ赤に燃えた「シン・朝倉海」が帰ってきた。人気格闘家・朝倉海(29=トライフォース赤坂)が、約1年4カ月ぶりの復帰戦を迎える。「僕が、どれだけ成長したか見せたい、シン・アサクラカイ、見せたいですね」。元谷友貴(33=フリー)とのメインイベントに臨む。
この時を待っていた。21年大みそか。「RIZIN.33」の日本バンタム級GP準決勝で、瀧沢謙太に判定勝ちしながらも、右拳を骨折した。以降も、症状は良くならず、翌年7月2日の「RIZIN.36」(沖縄アリーナ)のメインイベントに出場予定も、右手第2中手骨骨折後変形治癒偽関節の痛みで欠場を余儀なくされた。昨年末の「RIZIN.40」も、リングに立つことはかなわなかった。同大会で行われたBellator(ベラトール)対抗戦は、RIZINが5戦全敗。海は「世界から見ても、RIZINがなめられている。すごく悔しかった。日本も強いということを証明したい」。残ったのは、いら立ちだけだった。
悔しさと焦り。どうしようもない感情を胸に、リハビリに向き合ってきた。昨年7月に患部を手術。複数の病院を訪れ、多くの医師の見解に耳を傾け、アドバイスを吸収してきた。「骨自体、折れにくくなっている」と、以前よりも強固な右拳を手に入れた。
進化したのは右拳だけではない。休養期間中には、2度の渡米を敢行。さまざまな出会いの中、対戦相手の分析の点で、意識の変化があった。現地では、UFC世界バンタム級1位のメラブ・ドバリシビリ(ジョージア)と練習。「彼も試合直前まで相手の試合映像を見て相手の弱点、相手の出す攻撃というのを分析しなさいと教えてもらって。今までもたくさん分析をやっていたんですけれど、それ以上に映像を見てかなり分析してきました」。本場で、格闘技の“最先端”を吸収した。
メラメラと燃えている。試合2日前の出場選手インタビューで、赤く染め上げた髪で登場した。「気合を入れて、やる気を出すためにカラーを入れました」と、ファイトパンツの色に合わせた。
シン・朝倉海にふさわしく、新技も用意した。「名前はないですね。一瞬で決まる技なので、瞬き厳禁で集中して見てほしい」。眠りから覚めた、朝倉海。「必ずKOして会場を爆発させるので楽しみにしていてください」。もはや、制御不能。「シン・ゴジラ」「シン・エヴァンゲリオン劇場版」「シン・ウルトラマン」「シン・仮面ライダー」。あまたのシン・シリーズを抑え、リアルなシン・朝倉海が、有明の地をじゅうりんする。

