WBO女子世界スーパーフライ級王者昼田瑞希(27=三迫)が63秒殺で初防衛に成功した。

同級1位ケーシー・モートン(39=米国)の挑戦を受け、1回1分3秒、レフェリーストップによるTKO勝利。右フックからの連打でダウンを奪うと、立ち上がったモートンに右フックで2度目、左ストレートで3度目ダウンを追加。最後はラッシュで攻め切り、4度目のダウンを奪ってレフェリーストップ勝ちとなった。

世界戦の国内最短KO記録は18年10月、井上尚弥がファン・カルロス・パヤノ(ドミニカ)を倒した70秒(1分10秒)が国内最短だった。プロ5戦目にして初KO勝ちに「KOで勝ちたかったので、やってきたことは間違いなかったと思う」と振り返った。

なお世界戦の史上最短KO記録は17年11月、WBO世界バンタム級タイトルマッチで、王者ゾラニ・テテ(南アフリカ)がマークした11秒となる。

過去17戦で1度もKO負けのなかったモートンを63秒殺できたのは、試合前の4月、約3週間、米ロサンゼルスで合宿した成果でもある。敏腕トレーナー、マニー・ロブロス氏のチームに加わり、朝のフィジカル練習から参加。世界トップクラスとの週3回のスパーリングは「強く硬いパンチを受けて自分を削りながらだった。自分も強く打つつもりでいった」と米修行の成果を口にした。

昼田を担当する加藤健太トレーナーは「昼田に足りないものが米国にあったのだと思う」と世界王者として成長を続けていることを強調。所属ジムに三迫貴志会長は「(女子ボクシングが盛んな)米国に進出させてあげたい。昼田が成長していると思う」と後押しを口にしていた。