WBO世界スーパーフライ級王者・中谷潤人(25=M・T)が初防衛に成功した。2度目の世界戦となった同級6位アルヒ・コルテス(28=メキシコ)の挑戦を受けて判定勝ちで、ベルトを守った。今年5月、米ラスベガスで元WBA王者アンドルー・モロニー(オーストラリア)と同級王座決定戦に臨み、左強打で失神させる12回KO勝利を収めて以来、約4カ月ぶりの凱旋(がいせん)防衛戦を勝利で飾った。

試合後、中谷はリング上でのインタビューでうれしさをにじませた。5回にボディーで2回のダウン、9回にも同じくボディーでダウンを奪うなど難敵を苦しめたが倒しきれなかったことは悔しがった。「ありがとうございました!防衛戦と思って臨んでいなかった。相手は気持ちも強くキャリアのあった。勝ちきることができてうれしい。次はKOの場面をみせられるようがんばりますのでこれからも応援をよろしくお願いします」。

昨年9月、同級最強とされるWBC同級王者フアン・フランシスコ・エストラーダ(33=メキシコ)に挑みながら僅差判定負けを喫していたコルテスとのV1戦だった。中谷は「気持ちが強く、全体的に好戦的な選手、雑にならず丁寧にいきたい。心は熱く、ボクシングは冷静な、パーフェクトな試合をしたい」と意気込んでいた。

エストラーダを追い込んだコルテスとの対戦。中谷はエストラーダを意識していた。「比べられると思う。しっかりお見せできるように」と“最強王者超え”の内容にこだわりながらリングに立った。

中学卒業後に単身渡米してから師事するルディ・エルナンデス・トレーナーのもとでは「実戦練習の虫」になる。7月下旬から9月上旬までの取り組んだ恒例の米ロサンセルス合宿では1日14回という世界戦(12回)よりも長いラウンドのスパーリングにも挑戦。ほぼ毎日スパーリングするメニューで同合宿だけで計236回を消化してきた。世界戦に臨むボクサーの通常の回数よりも2・5倍近い実戦ラウンドで強化している。それが中谷の強さの原動力と言える。

初防衛戦をクリアした中谷が見据えるのはフライ級時代にも実現できなかった他団体王者との統一戦となる。ボクシング世界戦をテレビで見ていた頃は長谷川穗積、山中慎介らが活躍していた。WBC王座への興味は強い。現在、WBC王者はエストラーダ、そしてWBA王者には井岡一翔(志成)もいる。中谷は「統一戦ができるならば、誰でもいいですが、エスラーダには魅力的だと思う」と目を輝かせる。初防衛戦をクリアした中谷が統一戦実現に向け、はずみをつけた。

 

【ラウンドVTR】

◇1回 サウスポーの王者・中谷が右ジャブを突いて慎重に距離をはかる。コルテスは右を伸ばすが中谷には届かない。50秒すぎに中谷の右フックがクリーンヒット。中盤は両者様子をうかがい手数が少ない。中谷の左ストレートも空を切る。2分半すぎの中谷の左ストレーともガードの上。終了間際に中谷の左ストレートがヒット。日刊採点は中谷10-9。

◇2回 開始からコルテスの右は再三空を切る。中谷に届かない。中谷は右ジャブを突いて距離をとる。コルテスの入り際に右フックが決まる。中盤に中谷の右アッパーが浅くヒット。好戦的なコルテスは中谷の強打を警戒して攻めていかない。残り30秒、コルテスが強引にパンチを振って出るが、中谷はサイドステップでかわす。お互い有効打はないが、中谷のペースか。日刊採点は中谷10-9。

◇3回 中谷が右ジャブを突いてタイミングをはかる。30秒すぎにコルテスの右ストレートが浅くヒット。1分すぎに中谷が左ストレートをお返し。その後、コルテスが前に出て強い連打を中谷のガードの上から当てる。コルテスがじわじわとプレッシャーをかけるが、2分すぎに中谷の左ストレートが決まり、コルテスが腰を落とす。残り30秒に中谷の左がヒットも、コルテスも右を打ち返す。一進一退の攻防。日刊採点は中谷10-9。

◇4回 開始から中谷は相変わらず距離をとって慎重に戦う。その後、左ストレートが2発ヒット。コルテスは中谷の右ジャブがじゃまになり、なかなか懐に入れない。中盤に中谷のロングレンジからの左フックがヒットして、コルテスの上半身が揺れる。2分20秒すぎにも中谷のロング左フックがヒット。ワンツーも決まる。日刊採点は中谷10-9。

◇5回 開始早々、中谷の左ストレートがヒットしてコルテスのあごが上がる。1分すぎにコルテスの右ストレートがヒット。1分20秒すぎに中谷の左ストレートがクリーンヒット。コルテスも前進して連打を放つが、中谷はガード。2分すぎに中谷の左ボディーブローが決まり、コルテスがダウン。再開後、中谷が連打から右ボディーブローで2度目のダウンを奪う。日刊採点は中谷10-7。

◇6回 中谷の左ストレートがヒット。20秒すぎに左ボディーストレートも決まり、コルテスはスリップダウン。1分すぎに中谷の左ボディブローが決まる。コルテスも左フックを返すが力がない。2分すぎにコルテスの右ストレートが決まり、中谷はロープ際で腰を落とす。効いているようだったが、足をつかって距離を取る。日刊採点はコルテス10-9。

◇7回 中谷は右ジャブを突いて慎重に距離を取る。コルテスはじわじわと前に出る。1分すぎに中谷が左ボディブローを決めるが、コルテスも左ボディーブローを返す。1分半すぎに中谷の左ストレートがヒット。2分すぎには中谷の左ストレートから返しの右の連打が決まる。終盤、コルテスの右フックがヒット。中谷は左ボディーブローを返す。日刊採点は中谷10-9。

◇8回 1分はジャブの差し合いでパンチの交換はほとんどなし。1分半すぎに中谷の左ボディーストレートがヒット。2分すぎにコルテスが右を返す。残り30秒、中谷の左ボディーブローがヒット。コルテスも右フックを打ち返す。終了間際に中谷のコンビネーションが決める。日刊採点は中谷10-9。

◇9回 中谷が右ジャブでペースを握る。コルテスは右ボディストレートを決める。中盤に中谷が連打からの左アッパーをヒット。2分すぎに中谷の連打がコルテスの顔面をとらえる。2分15秒すぎに中谷が左ボディーブローでこの試合3度目のダウンを奪う。コルテスは立ち上がるが後退。日刊採点は中谷10-8。

◇10回 開始早々、中谷が左ボディブローを決める。コルテスも右ボディブローを返す。1分すぎに中谷のワンツーが決まるが、コルテスも連打で応戦。1分50秒、中谷に左ストレートが決まり、コルテスはのけぞる。終盤も中谷の左さ数発ヒット。日刊採点は中谷10-9。

◇11回 コルテスが連打を振って前に出るが、中谷は距離をとってかわす。中谷も左アッパーを返す。1分すぎにコルテスの連打からの左フックが中谷にヒットするが、中谷も左ストレートを返して、コルテスは腰を落とす。後半は中谷が連打で攻勢に。コルテスの勢いが止まる。終了間際に中谷の左ボディーブローでコルテスの動きが止まる。日刊採点は中谷10-9。

◇12回 大歓声の中、最終ラウンド開始のゴング。中谷は右ジャブを突いて距離を取る。コルテスは連打を振るって前進も中谷は冷静にクリンチ。中盤以降、コルテスは逆転を狙って打ち合いに出るが、中谷は無理をせずに。2分すぎに中谷がラッシュして勝負をかける。コルテスはフラフラになりながらも何とかゴングに救われる。日刊採点は中谷10-9。

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