注目の4団体統一王者対決は、「カネロ」の愛称を持つ4団体統一スーパーミドル級王者サウル・アルバレス(33=メキシコ)が制した。2階級下の4団体統一スーパーウエルター級王者ジャーメル・チャーロ(33=米国)とスーパーミドル級で対戦して判定勝ちで撃破。プロ通算60勝とし、WBA王座は7度目、WBC王座は6度目、IBF王座は3度目、WBO王座は4度目の防衛に成功した。
7回50秒すぎだった。アルバレスの右ストレートがチャーロのテンプルに決まると、相手はヒザから崩れ落ちた。チャーロ自身生涯2度目のダウンを奪うと、さらに立ち上がった後も強打をたたきつけた。12回までもつれ込み、判定勝ちとなったが、多彩なパンチ、すさまじいい圧力と試合内容は圧倒的だった。
試合後のインタビューでは喜びを爆発させた。「自分が最強と証明できた。判定だけど満足だ。12ラウンドでどちらがベストかわかっただろう。どちらが強いか証明できた」。そして続けた。「次の相手?誰でもいい。メキシコ、バンザイ!」。
相手チャーロの身長183センチ、リーチ185センチに対し、アルバレスは身長173センチ、リーチ179センチ。2階級上だが、サイズでは劣っていた。試合前には「体格、サイズは関係ない。私にはすべての準備ができている」と自信をみなぎらせていた。
前日9月29日(日本時間同30日)、大勢のファンが見守る中で公開計量を行った。ともに167・5ポンド(約75・98キロ)でクリア。フェースオフにも応じ、目線をそらさず、激しい火花を散らした。アルバレスにとっては「聖地」ラスベガスでは16回目の試合。この5年間、世界ボクシング界をけん引してきた自負がある。「リングに上がるたびに、今が何の時なのかが分かる。自分はそれが好きだし、楽しんでいる。素晴らしい戦いになる」と王者らしく余裕のオーラを漂わせていた。
今年5月のジョン・ライダー(英国)戦では手術を受けた左手首が完全回復しておらず、3-0の判定勝利。不本意なファイトだったと認めていた。今回は4団体統一王者対決を制し、完全復活を果たした。