ボクシングKWORLD3ジムの亀田史郎トレーナー(58)が12日、元2階級制覇王者で亀田3兄弟の三男和毅(32=TMK)の再興に意欲を示した。

史郎氏は今年7月に日本ボクシングコミッション(JBC)からトレーナーライセンスを交付され、10月7日の「3150FIGHT」(東京・大田区総合体育館)で和毅のセコンドとして、国内では16年ぶりに現場復帰した。和毅にとってフェザー級転向初戦の試合は、IBF同級8位レラト・ドラミニ(29=南アフリカ)に1-2判定負けに終わった。

和毅の専属トレーナー武本氏がチーフセコンドで、史郎氏は「俺は和毅の練習を見てきてない。チームとしてやらなあかんから」とサブに徹した。試合は、結果的に採点を見る限り序盤、中盤の試合運びが2人のジャッジに支持されなかった。史郎氏は試合に関し「何も言うことはないよ」と言いつつ、「歯がゆさはあったわな」と言った。

武本トレーナーには「声が(和毅に)届かんかったら俺が声出す。俺の方が声でかいから」と言い、サポートに徹した。しかし、試合展開を見ながら6ラウンド終了後に「相手は息あがってペースも落ちてる。もっといかなあかんのちゃうか」と助言したという。しかし、和毅のペースも上がらず、明確な展開には持ち込めなかった。

この敗戦で、和毅の来年の世界挑戦で3階級制覇へというプランは狂う。それだけに史郎氏は「出直し」の大事さを強調した。

「今回の試合でどれだけ殻を破れるか思ったけど、はっきり言って和毅の実力は(10中)2ぐらいしか出てない。努力してないわけやない。一生懸命練習して万全に備えての結果やから。このままやったら厳しいやろ。本人が残りのボクシング人生をどう考えるかやな。俺は『リングに上がったら気持ち』言うてきたし気持ちを出させる自信はある。でも、こっちからの一方通行は難しいよ。救いを求められたら全力でサポートする。どうするか、本人が決めたらええんちゃう」

自身の息子である以上に「選手・和毅」の未来を考える。救いの手は常に待ち構えている。【実藤健一】