ボクシングのIBF世界バンタム級1位・西田凌佑(27=六島)が27日、大阪市内の所属ジムで練習を公開した。

西田は5月4日にエディオンアリーナ大阪で世界初挑戦。同級王者エマヌエル・ロドリゲス(31=プエルトリコ)に挑む。

王者陣営のジェイコブ・ナジュールトレーナー(37)も視察に訪れた。同氏は「足の使い方がうまい。いいボクサーなのは間違いないし、いい試合になるのも間違いない。ただ、こちらに弱点はない。負ける要素はない」と断言した。

初の世界戦に向けて西田は過去最多、約200ラウンドのスパーリングを消化してきた。「コンディションはいい。しっかり体重調整して万全な状態でリングに上がりたい」と揺るぎない自信を示した。

初めて挑む世界戦でも揺るがない心が最大の武器だ。来日したロドリゲスは挑戦者について「経験の差がある。勝つのは無理」と断言してきた。そんな発言を見聞きしても、西田は「全然、気にしてません。自分のやるべきことを出すしかできないので」と平然と言い放った。

指導する武市トレーナーは「すごい舞台で、すごい強い王者に挑む。それでも何も考えていないのが強み」と話す。どんな舞台でも、どんな強い相手でもプレッシャーとは無縁。揺るがないハートを武器に、無名の存在から世界挑戦者へと成り上がってきた。

「今のボクシングしても通用しない。やられるイメージしかない。そうならないように、相手の嫌がるパターンを構築している」。マイナスからの大逆転。西田の答えはそう、導いている。【実藤健一】