WBA、WBC世界フライ級王者の寺地拳四朗(33=BMB)が、WBA世界同級3位、WBC同級2位のリカルド・サンドバル(26=米国)と対戦。12回を戦い判定で敗れ、王座陥落した。2階級で統一王座防衛なら井上尚弥に続き2人目だったが、快挙とはならなかった。
今年5月に「前から行きたかった」という米ロサンゼルス合宿を実施。WBC、IBF世界バンタム級統一王者の中谷潤人(27=M・T)を指導するルディ・エルナンデストレーナーの教えを受け、特にディフェンス面を強化した。6月には大阪で走り込み合宿を行い、心肺機能をアップ。着々と準備を整えてきた。
「本当にいい選手で、戦い方がうまい感じ。特に隙がなくて、そこを見つけるのが大変そう」と印象を語っていたサンドバル戦に向けては「向こうのペースにならないように戦いたい。無駄に打ったり打たれたりすることをなるべく減らして、しっかりラストにKOで勝てればいい」とイメージしたが、相手に上回られた。
この冬には自身初となる海外試合に臨む可能性もあるが、ベルトを失ったことで白紙となる可能性もある。サウジアラビア政府直轄プロジェクト「リヤド・シーズン」を運営する同国総合娯楽庁のトゥルキ・アラルシク長官から参戦ラブコールを受けており、12月27日にリヤドで開催される興行に参加する可能性があるものの、実現に向けて痛い敗戦。全階級を通じた最強ランキング「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」での順位もアップさせたい考えで臨んだが、現在の9位維持も厳しい状況となった。
この日は「トリプル世界戦」として行われ、WBA世界ライトフライ級1位の高見亨介(23=帝拳)は無敗の同級王者エリック・ロサ(25=ドミニカ共和国)に10回TKO勝利で王座奪取。WBA世界バンタム級3位の比嘉大吾(29=志成)は同級正規王者アントニオ・バルガス(28=米国)に12回判定ドローで王座奪取を逃した。
【ラウンドVTR】
1回 寺地は左ジャブをつきながら、積極的に前に出た。左を伸ばして相手にプレッシャーをかける。サンドバルは、がっちりとガードを固めて、手を出さずに様子見だったが、終盤に右ストレートを放った。日刊採点は寺地10-9
2回 サンドバルは、寺地の左ジャブにかぶせて右ストレートを狙う。寺地の右に、右を合わせる場面もあった。寺地は相手が踏み込んだ瞬間に右ストレートを打ち下ろすなど、スリリングな攻防が続いた。日刊採点はサンドバル10-9
3回 寺地は右カウンターをヒット。相手の打ち終わりに、パンチを返していく形で、攻め込んでいく。サンドバルは終盤に圧力を強めるも、寺地はガードでさばく。日刊採点は寺地10-9
4回 サンドバルは、フック、アッパーと多彩なパンチを寺地に放っていく。寺地は左ジャブ→右ストレートのオーソドックスな組み立てで対抗。サンドバルが手数を増やした。日刊採点はサンドバル10-9
5回 サンドバルは立ち上がりから左右フック、右ボディーフックのコンビネーションを披露。寺地はジャブをついてプレッシャーをかける。そして残り1分で、しっかりと伸ばしたワンツーがヒット。サンドバルは尻もちをついてダウンした。寺地は相手にロープを背負わせたが、仕留めるには至らなかった。日刊採点は寺地10-8
6回 寺地はジャブをついて圧力をかける。サンドバルは下がりつつも、右フックなどで対抗。しかし寺地は前進をやめず、下がる相手にワンツーをヒット。終盤には右アッパーで相手の顔を上げさせた。日刊採点は寺地10-9
7回 サンドバルは右をヒットさせる。両者がフック、アッパーの距離で打ち合う場面も、中盤にサンドバルが、寺地の右に合わせてカウンターの右ストレートをヒット。寺地を下がらせた。日刊採点はサンドバル10-9
8回 両者がジャブの打ち合いで、距離を探る展開。寺地は相手が近づけば離れ、離れれば近づくという押し引きを見せる。サンドバルは寺地のパンチに合わせて、右ストレートを打つ。ヒット数はサンドバルに分があった。日刊採点はサンドバル10-9
9回 寺地は、これまでと変わらず、ジャブをついて、前進。サンドバルにプレッシャーをかける。サンドバルは、寺地の左ジャブに右をかぶせる戦法。寺地は右ボディーストレートをたたき込んだ。日刊採点は寺地10-9
10回 寺地は右クロスをサンドバルに当てる。お互いに、相手の打ち終わりを狙ってカウンターを打ち合うスリリングな展開。ハイテンポな攻防が続いた。サンドバルはスイッチして、サウスポー構えから左ストレートをヒットさせた。日刊採点はサンドバル10-9
11回 両者、頭をつけて打ち合い接近戦を展開。互いのボディーを攻め合って、激しく打ち合う。サンドバルが右アッパーで寺地のあごを跳ね上げれば、寺地も右アッパーをかえす。ラスト30秒で寺地が右の相打ちで、相手のダメージを与えた。サンドバルは後退してクリンチに逃れた。日刊採点は寺地10-9
12回 寺地は最後まで圧力をかけて前にでる。サンドバルは、ロープを背負いながら対抗。寺地は右ボディーアッパーを打ち込んで、サンドバルを下げさせた。ロープ際に追い込み、右ストレート、さらにボディー攻撃を追加した。サンドバルも最後まで右ストレートで対抗した。日刊採点は寺地10-9
◆寺地拳四朗(てらじ・けんしろう)1992年(平4)1月6日生まれ、京都・城陽市出身。奈良朱雀高-関大。ボクシングは中3から。14年に元日本ミドル級王者の父・寺地永のBMBジムに入り、同年8月にプロデビュー。17年5月にWBC世界ライトフライ級王座を獲得し、その後8度防衛。21年9月に初めて王座陥落するも22年3月に矢吹正道にリベンジを果たして王座奪還。同年11月にはWBAスーパー、WBC同級王座統一。24年10月にWBC世界フライ級王座を獲得し、25年3月にはWBA、WBC世界同級王座統一、井上尚弥に続く日本人2人目の2階級統一王者となった。

