ボクシングWBC世界バンタム級王座決定戦となる同級1位那須川天心(27=帝拳)-同級2位井上拓真(29=大橋)戦は24日、トヨタアリーナ東京で開催される。格闘技、ボクシングを通じてキャリア53連勝の那須川に対し、過去2度世界王座戴冠の井上の激突は25年で最も注目される日本人対決だ。本紙評論家の元WBC世界スーパーフライ級王者川島郭志氏(55)は現役時代「アンタッチャブル(触らせない)」と称されただけに、両者のディフェンス技術を比較。独自視点で井上有利と予想した。
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スピードと勢いの那須川、キャリアと総合力の井上の構図だ。序盤は那須川のペースと見る。左ストレート、左ボディーは強烈でパンチ回避からの攻撃が非常に速い。井上が慣れるまでに時間を要するだろうが、過去一の出来と聞く。幅と引き出しで流れを変える力は十分にある。非常に予想は難しいが、それぞれ対戦相手に近い選手との試合をピックアップし、私なりに2人のディフェンス技術に着目、比較してみた。
那須川は今年2月、井上と同じ右構えの元WBO世界バンタム級王者ジェーソン・モロニー(オーストラリア)戦を再確認した。手のひらで相手パンチを払って直撃を避けるパーリングを使い、目で見て反射神経でディフェンスしている。非常に高い技術だが、見極められない時に何度かパンチをもらっていた。
井上は昨年2月、9度の防衛記録を持つ元IBF世界スーパーフライ級王者ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)戦を再びチェックした。那須川と同じサウスポーに対し、頭と首と体による上下の巧みな動きで相手パンチを外していた。世界トップとの試合で那須川は少なからず被弾して判定勝利。井上はしっかり相手パンチを外して接近戦に持ち込み、9回KOで倒しきった。
確実に相手の攻撃を避けてパンチを当てていく井上が中盤から後半にかけてペースをつかむのではないか。逆に那須川は徐々にダメージと疲労が蓄積すると見る。井上の5・5対那須川の4・5。わずかだが、0・5ほど井上有利だという結論だ。(おわり)
◆川島郭志(かわしま・ひろし)1970年(昭45)3月27日、徳島・海陽町出身。88年8月、プロデビュー。92年7月に日本スーパーフライ級王座獲得し3度防衛。94年5月、WBC世界同級王座獲得し、6度の防衛に成功。00年9月に川島ジム創立し会長就任。

