高校生史上初のアマ7冠を獲得した井上尚弥(19=大橋)が「金メダリストの教え」を胸に、プロデビュー戦に臨む。15日、横浜市内の所属ジムで、日本ミニマム級1位・原隆二(大橋)と日本ライトフライ級王者・黒田雅之(川崎新田)を相手に計8回のスパーリングを実施。至近距離で互角に打ち合い、10月のプロ初戦、東洋太平洋ミニマム級7位オマカオ(フィリピン)戦へ調整を重ねた。

 ロンドン五輪ミドル級で金メダルを獲得した村田諒太(26=東洋大職)に刺激を受けた。国際大会プレジデント杯や強化合宿で一緒に練習し、宿舎で同部屋だったこともある。リング内外で弟のようにかわいがられた井上は「練習中は人が変わったかのように集中していた。ボクシングに取り組む姿勢を肌で感じながら教わった」という。プロ、アマというステージこそ違うが、村田と同様に世界の頂点を目指すだけに「練習を重ねて自分のテーマをしっかり定めたい」と意欲を口にした。