東京女子プロレスは11月8日に後楽園ホールで「ALL RISE’26」を開催する。同大会でプリンセス・オブ・プリンセス王者の荒井優希(28)に挑戦するのが「全長1.47メートルの大怪獣」こと中島翔子(35)。24年5月以来、約1年半ぶりの同王座挑戦となる中島は、この間、米国やメキシコ、欧州など世界各地を転戦して対応力と経験値を高め、「パーフェクトコンディション」と自信をのぞかせている。
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-プリプリ王座戦をやるのは久しぶりですね
「24年5月に渡辺未詩とプリプリのベルトを懸けて戦って、それ以来ですね」
-戴冠への意気込みは
「ベルト獲得に向けて今、自分の中にあるピースの全てがそろうような感覚があります。一番良い、パーフェクトコンディションで迎えられるなって思ってるので、とにかく11月8日がすごく楽しみですし、毎日ぐらい試合のことを考えてます」
-具体的にはどういう部分に「ピースがそろってきてる」と感じるんですか
「やりたいように体が動くようになってきたのと、バランスが必要な動きのミスが減ってきたし、万が一バランスを崩しても立て直しの速度が自分の中でめちゃくちゃ上がってる、みたいなところですかね」
-全体的な運動能力が上がってるみたいな?
「運動能力と、あと経験値だと思います。去年1年、MLWのベルトを巻いて海外に月一とかで行ってましたし、CMLLにも10月に2週間ぐらい行かせていただいたり。最近だとSETUP(タイ)も行きました。それぞれリングの規格が結構違うんですよね。アメリカで東京女子がやる時もロープの細さ、高さが違いますし。いろんなコンディションの場所で試合をしてきたので、臨機応変さが磨かれたんだと思います」
-そんな中、プリプリ王座に挑戦するにあたって、今の荒井選手を率直にどういう風に感じますか
「一言で表すと『完全無欠になった』と思います。デビュー当時から背負うものが重かったから目線は鋭かったですけど、アイドル時代はケガをすると仕事に響くから、我々以上に気を張る中で勝ち星を挙げてたと思うんです。卒業してそのかせがなくなって、目の鋭さはさらに増しましたよね。最初は『成長を見守られるチャンピオン』だったのが、4月にラスベガスでJ-RODとタイトルマッチをしたあたりから、はたから見て『ちょっと心配だな』って気持ちになるところがどんどんなくなって。フィジカルやアスリート性もそうですけど、もっと細かいことを言うと、試合中に弱い顔をしないから表情が一切ぶれないんです。特に大田区(鈴芽を相手に防衛を果たした10・3)とかは、そういう細かいところも全部含めて完全無欠だと思いました」
-そういう強い王者を相手に、どういう部分に活路を見いだしますか
「能力的には私も絶対に弱い選手ではないので、第三者から見て良い勝負ができる2人だと思うんです。その完全無欠さの攻略は、私がずっとシミュレーションするしかないと思ってて。このタイトルマッチに対してワクワクしてるので、寝る前とか電車の中とか、ふとしたタイミングで常に『この足の取られ方をしたら、この抜け方ができないか試してみたいな』とか、そんなことばっかり考えるんです。だから活路は無限大だと思ってます」
-中島選手といえば特撮ヒーローものが好きなことで有名ですが、プロレスにはどういう感じでリンクしてくるんですか
「いろんな面でリンクしますよ。スーツアクターさんの立ち回りの中で面白い動きや身の翻し方があったら、『足をこう振るとこういう回転がかかるから、実戦に落とし込むにはこういう動きにしたらいいんだ』ってすごく参考になります。あとはピンチを乗り越える時の感情面ですね。作品を見てる時に『この局面でもこんなに頑張ってるんだから、私も試合で頑張んなきゃ』って勇気をもらってます」
-何歳ぐらいの時から特撮ものが好きだったんですか
「91年生まれなんですけど、94年の『忍者戦隊カクレンジャー』が好きで、3、4歳ぐらいからずっと見てます。リカちゃん人形を買う前にゴジラのソフビを買ってもらってたので、一般の女の子がシルバニアファミリーとかでする遊びを、ゴジラのソフビに『無人島で子供のために食べ物を取りに行く』みたいな設定をつけてやってました。私が3人きょうだいの一番上なので兄の影響とかではないんですけど、母が『マジンガーZ』、父が『デビルマン』と永井豪さんの作品が大好きだったので、親の影響はあるかもしれません」
-実際のリングでも、戦隊もの的な勧善懲悪な感じで戦うのが一番好きですか
「どっちかっていうと、やられてやられて立ち上がるとかがめちゃくちゃかっこいいなって思ってるので、『どんなピンチの時も諦めない』とかの方が強いかもしれないですね。そういうハート的な部分もめっちゃ影響されてると思います」
-話は戻りますが、海外遠征で対応力が高まったお話などを聞いてると、まだまだ成長してる感覚があるんですね
「そうですね、まだベテランを名乗っちゃいけないと思ってて。というのも、『カクレンジャー』が30周年作品をやってくれて、当時10~20代だった戦士たちがアラフィフで戦いに挑むかっこよさを見せてくれたんです。作中でブラック役のケイン・コスギさんが、めっちゃ動ける敵の若造に『やるなおっさん』って言われて、『なめるなよ、今がパーフェクトコンディションだ』って返すセリフが超かっこよくて。これを見たら、私はまだ小娘だな、まだまだ頑張りたいなって思いました」
-今までに引退を考えたことはないですか
「ないです。この先も私は華やかな引退ロードや引退試合、セレモニーは絶対やらずに、かすみのようにそっとフェードアウトすると決めてるので(笑い)。隠居して、新潟興行とかに出てて、東京女子の両国国技館大会のダークマッチのバトルロイヤルで第2、第3に入場して『あっ、久しぶりだ!』ってなるみたいな感じになるんじゃないですかね。本当にできなくなったらしょうがないですけど、今すごい不調とかも本当になくて。試合でケガしたことも鼻を1回折ったぐらいで、ぎっくり腰もないし靱帯(じんたい)も全部つながってるし。サッカーとかと違って個人種目だから(負けても)自分の戦績が落ちるだけですし、許される限りはやりたいなって感じです」
-それでは最後にファンの皆さんへメッセージをお願いします
「私が最終的に目指すプロレスラーはアジャコングであり、忍者戦隊カクレンジャーでもあるんです。こないだ石川県七尾市の復興興行でアジャさんとご一緒した時、お客さんが立ち上がって『アジャコングに触りたい!』ってなる爆発力がすごくて。あと今年の3月には、子供の頃から一番憧れていたカクレンジャーのニンジャホワイト(鶴姫)とコラボで一緒に入場して、試合を見てもらう夢もかないました。私がカクレンジャーから勇気と元気をもらったように、私も見ている人に元気と勇気を与えたい。私が勝って『俺も頑張ろう』『私も頑張ろう』ってなってもらえればうれしいですね」

